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zoom RSS 揮発性麻酔薬は植物にも作用する!

<<   作成日時 : 2018/05/16 16:27   >>

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・医療目的の麻酔は 19 世紀に導入された。しかしながら、神経系に及ぼす麻酔薬作用の生理学的様相は依然として不明である。まだ解決できていない疑問の 1 つは、構造類似性をもたずして、これらの異なる化合物と、希ガスであるキセノンのような化学的に不活性な元素さえも、どのようにして意識消失を誘発する麻酔薬として作用するのかである。ここでの主な目標は、麻酔薬が動物や人間と同じように植物のプロセスにも影響を及ぼすどうかを判断することであった。

・一眼レフカメラを使用して、様々な麻酔薬の暴露から回復する前、中、後に植物の器官の動きを追跡した。共焦点顕微鏡法を用いて、細胞内小胞輸送を分析した。電気信号は、表面 AgCl 電極を用いて記録した。

・オジギソウの葉、エンドウ豆の穂軸、ハエトリソウ、モウセンゴケはすべて、麻酔薬に暴露された後に自律的および接触誘発性運動を失った。ハエトリソウでは、これはジエチルエーテル麻酔下での活動電位の喪失に起因することが示された。同じ濃度のジエチルエーテルはエンドウ豆の穂軸を不動化した。麻酔薬はまた、カラシナ苗における種子の発芽とクロロフィルの蓄積を妨げた。正常なシロイヌナズナの根尖細胞に観察されるような、細胞内小胞体の再利用と活性酸素種(ROS)バランスもまた試験した全ての麻酔薬の影響を受けた。

・植物は構造的に類似していないいくつかの麻酔薬に対して感受性がある。動物やヒトの場合と同様に、適切な濃度で使用される麻酔薬は、活動電位をブロックし、活動電位、細胞内小胞体の再利用や ROS 恒常性への影響を介して器官を不動化する。植物は、麻酔に関連する一般的な質問を研究するための理想的なモデルオブジェクトとして浮上するばかりか、人間の麻酔に適した試験システムとして機能する。

[!]:感触性植物でも、揮発性麻酔薬が作用することを報告した最近の論文だ。かなり注目されたようだが、同様の研究は、日本で 25 年も前に行われており、「麻酔」に掲載されている。

【出典】
Anaesthetics stop diverse plant organ movements, affect endocytic vesicle recycling and ROS homeostasis, and block action potentials in Venus flytraps.
Ann Bot. 2017 Dec 11. doi: 10.1093/aob/mcx155. [Epub ahead of print]

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