QT延長症候群のある小児の麻酔に関する考察

・先天性QT延長症候群(LQTS)患者は、torsade de pointesとして知られる一時的な悪性心室頻拍を起こしやく、結果的に心停止や死亡をきたしうる。身体的、感情的ストレスのある時間や、麻酔薬を含むある種薬物に晒された場合、重症の心臓イベントを発症する結果、患者は失神、けいれん、突然の心臓死をきたす。揮発性全身麻酔薬に晒される先天性QT延長症候群の小児で、不整脈に関連した周術期有害事象(AE)の発生頻度と関連する危険因子について記述する。

・非心臓手術や、心臓のリズム管理のための装置植え込み、再植え込みのために全身麻酔を受けたLQTS小児について後ろ向きにコホート研究を行った。本研究は、コンピュータ化された電子カルテからのデータ収集を伴う後ろ向きのカルテのレビューである。

・76人の先天性LQTS患児が同定され、合計114回の麻酔が行われた。114回の麻酔事例のうち、3例の有害事象があり、2例は確定例、1例は可能性があり、2.6%の発生率であった。それら事例は、揮発性麻酔薬による全身麻酔下に非心臓手術を受けている最中の男児(年齢11歳、13、15歳)に起こった。全員術前にβ遮断薬による治療を受けていた。有害事象は、拮抗薬(抗コリンエステラーゼ剤/抗コリン剤の組み合わせ)と制吐剤オンダンセトロン投与に近接して発生していた。事例は麻酔からの覚醒時と、もっぱら拮抗薬とオンダンセトロンの両方を投与された患者群で発生した。全員短時間の抗不整脈治療が成功し、翌朝には退院した。

・交感神経の緊張が増加した時期、特に覚醒時に有害事象のリスクが増加する。正常化したQT間隔、つまり再分極の貫壁性拡散を延長したり、頻脈の発生を増加させることが知られている薬物が、この時期に投与されると、有害事象のリスクはさらに増大するようだ。イオン・チャンネルに悪影響を与える薬物投与を制限したり、この時期と術後の期間に警戒と監視を強化することで有害事象の発生や進展を防止できるであろう。

【 出 典 】
Implications of Anesthesia in Children with Long QT Syndrome
Anesthesia & Analgesia vol. 112 no. 5 1163-1168

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