開胸肺手術を受ける患者での持続胸部硬膜外と傍脊椎ブロックが術中術後鎮痛と循環動態安定性に与える影響

・開胸術を受ける患者で、硬膜外鎮痛を行なうと、術中低血圧をきたしうる。本無作為前向き研究では、硬膜外鎮痛と傍脊椎鎮痛が開胸術中の血行動態に及ぼす効果を評価した。

・患者 32 人は無作為に硬膜外鎮痛(n=16、0.25% レボブピバカイン+30μg/kg モルヒネ)、あるいは傍脊椎ブロック(n=16、0.5% レボブピバカイン+30μg/kg モルヒネ)を受けた。局麻剤の投与前、全身麻酔の導入後、片肺麻酔確立時、最初の皮膚切開、リトラクタ設置、肺加圧操作、最後の皮膚縫合時に、酸素運搬、1回拍出量、全身血管抵抗係数、心拍数、平均血圧を測定した。主要エンドポイントは、酸素運搬指数≧500mL/分/m2 に維持するのに必要とした膠質液注入量であった。手術直後に硬膜外/傍脊椎から、0.125%レボブピバカイン+20μg/mL モルヒネを注入して術後鎮痛を行なった。疼痛、レスキュー鎮痛剤消費量、血圧、心拍数を、術後 6、24、48 時間に記録した。麻酔薬投与とデータ収集は、局所鎮痛法を知らされない研究スタッフによって行なわれた。

・心拍数、平均動脈圧、全身血管抵抗係数は、群間差がなかった。しかし、酸素運搬係数の目標値を維持するためには、傍脊椎群よりも硬麻群の方が、膠質液中入量は多く、多くのフェニレフリンが必要であった(554±50 vs 196±75mL、P=0.04; 40±10 vs 17±4μg、P=0.04)。呼吸理学療法前後の疼痛強度、ならびに 24 時間のレスキューのピリトラミド消費量は、硬麻群(4.1±3.1mg)と傍脊椎群(2.5±1.5mg)で同程度であった(P=0.14)。24、48 時間後の収縮期血圧は、硬膜外群の方が低かった。

・本研究の条件設定下では、開胸術患者の持続性傍脊椎ブロックは、硬膜外鎮痛に比べて、鎮痛は同程度であるが、高い循環動態安定性をもたらした。また傍脊椎ブロックは、酸素運搬係数(DO2I)を目標値に維持するために必要な膠質液と昇圧剤が少なかった。

[!]:傍脊椎ブロックの方が、硬膜外よりもさらに局所麻酔であるから、余分な交感神経遮断をきたさないことがメリットのようだ。

【 出 典 】
Comparison of Continuous Thoracic Epidural With Paravertebral Block on Perioperative Analgesia and Hemodynamic Stability in Patients Having Open Lung Surgery
Regional Anesthesia & Pain Medicine: May/June 2011 - Volume 36 - 3 - p 256-260

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック