ブタで胸部大動脈閉塞後の虚血再灌流障害に与えるセボフルランとプロポフォールの効果

Effects of sevoflurane and propofol on ischaemia-reperfusion injury after thoracic-aortic occlusion in pigs

Br. J. Anaesth. (2007) 98 (5): 581-590.

・胸腹部大動脈瘤手術は、予測死亡率が高い。この手術には、プロポフォールとセボフルランが一般的に使用される。ハロゲン化麻酔剤は、虚血性プレコンディショニングに類似した臓器保護作用を誘導する。どの麻酔剤が一時的な胸部大動脈遮断によって誘発される虚血、再灌流障害に対し、より良好な保護作用を有するかについて調査した。

・手術準備として最初のフェンニタル・ミダゾラム投与に引き続き、18頭のブタを2群に無作為に割り当てた。調査者には分からないように下半身虚血の前・中・後に、P群(n=9)にはプロポフォールを、S群には(n=9)セボフルランを投与した。大動脈遮断しない10頭の動物は、時間対照とした(プロポフォール;n=5;セボフルラン;n=5))。虚血を誘導するために、胸部大動脈をバルーンカテーテルで90分間遮断した。再灌流の120後に、研究麻酔薬を中止し、フェンタニル・ミダゾラムでさらに180分間維持した。再灌流の間、目標指向型治療が行われた。輸液、カテコラミン必要量を評価した。血液と腸組織標本を採取した。

・両群ともに高度の遮断解除後ショックをきたした。再灌流中にS群ではノルエピネフリン必要量は有意に減少し(p<0.05)、4/9例でカテコールアミン・サポートが必要なくなったのに対し、P群では全9/9例で実験終了時にはまだカテコールアミン依存状態であった。LDH、AST、ALTの血清濃度は、S群の方が低かった(P<0.05)。小腸組織標本は、組織学的に異ならなかった。

・プロポフォールに比較してセボフルランの使用は、今回のモデルでは再灌流障害による循環動態続発症を低減した。細胞傷害性の血清マーカーの放出も低値であった。

[!]:プロポフォールによるTIVA麻酔は「生き」がいい。裏返せば、低酸素状態でもたくさんの酸素を必要としてしまう。揮発性麻酔薬は細胞レベルで代謝抑制にはたらき低酸素に耐えられる状態を作りだすのだろう。臓器虚血を伴う手術では揮発性麻酔薬に利点がある。

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