重症患者の睡眠障害:せん妄と鎮静剤の役割

Sleep disturbances in the critically ill patients: role of delirium and sedative agents
Minerva Anestesiologica 2011 June;77(6):604-12

・睡眠の質と量の障害は、重症患者で報告されている。せん妄は、重症患者の転帰に影響を及ぼす臓器機能不全であり、認知機能障害の急性発症、幻視、妄想、幻想によって特徴づけられる。これらの徴候は、神経変性疾患があり急速眼球運動(REM)障害に苦しんでいる患者に認められる入眠時幻覚と眠りのない夢に似ている。REMの重度の障害が、せん妄と関連しているという仮説を検証するために外科重症患者集団で睡眠障害の特徴を評価した。

・サンG.バッティスタ病院(トリノ大学)のICUに入室した外科患者を対象とし、一旦ウィーニングが開始されたら、標準的睡眠ポリグラフを使用して一晩の間、睡眠を記録した。臨床状態、入室時検査データ、合併症、人工呼吸持続期間を記録した。REMが総睡眠時間(TST)の6%以上か、未満かで、それぞれ、患者は「重症REM減少」か「REM減少」に事前分類された。ICU在室中のせん妄の発生は、日に2回CAM-ICUによって確認された。多変量前方段階的ロジスティック回帰分析を、事前従属因子として睡眠(「重症REM減少」 vs 「REM減少」)で実行した。

・レム睡眠は、患者14人(「REM減少」)で44(16-72)分[TSTの11(8-55)%]に、残りの患者15人(「重症REM減少」)で2.5(0-36)分[TSTの1(0-6)%]であった(P=0.0004)。入室時のSAPS IIは、「REM減少」群よりも「重症REM減少」群の方が高かった。せん妄は「重症REM減少」患者の11人(73.3%)に存在し、睡眠評価の前に中央値で3(0-111)日間持続したが、「REM減少」群の1人だけが1日続くせん妄を発症した。「重症REM減少」をきたす高いリスクと独立して関連する要因は、せん妄とロラゼパムの連日投与であった。

・本研究から、全ての重症患者は、高頻度の興奮と覚醒を伴う睡眠の著しい断片化とレム睡眠の減少を呈し、何割かの患者は極端に高度のREM睡眠減少を呈することが示された。せん妄とロラゼパムの連日投与が重症のREM睡眠減少と関連する独立因子であった。

[!]:REM睡眠は、脳が正常な機能を維持するために必要な「何か」を行っている生理的状態(コンピュータでいえば、メモリーの掃除=「ガーベージ・コレクション」のようなもの?)であるが、これが障害されると睡眠時ではなく覚醒時にも「何か」を行わなくてはいけなくなって、本来正常であるべき覚醒時の脳機能が障害されて「せん妄」という状態が出現する・・・・のかも。

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