術後にRI/ARDSを発症した患者の死亡率:肥満パラドックス

Mortality of Patients With Respiratory Insufficiency and Adult Respiratory Distress Syndrome After Surgery: The Obesity Paradox
Journal of Intensive Care Medicine Published online before print July 21, 2011,
・肥満はいろいろな疾患発症の危険因子と長く考えられてきたが、術後合併症を起こす肥満患者の術中術後の死亡リスクの増加を支持するエビデンスは限られている。そこで、本研究では、全国入院患者標本(NIS)として収集されたデータを利用して、術後呼吸不全(RI)/成人呼吸窮迫症候群(ARDS)をきたした肥満患者と非肥満患者の属性を特徴づけ、この患者集団で、肥満が院内死亡に与える影響を定量化しようとした。

・1998~2007年まで毎年の全国入院患者標本データにアクセスした。外科手術を受けた術後に、RI/ARDSの診断を受けた患者を対象とした。包含基準を満たした患者は、肥満群と非肥満群に分けられた。主要転帰は院内死亡率であった。年齢、性、入院方法、術式、併存症を調整して、肥満が転帰に及ぼす高い危険性と関係しているかどうか明らかにするためにロジスティック回帰モデルを適合した。

・1998~2007年に対象とした術式を受けた9149030件の入院を同定した。そのうち、5.48%は、肥満の診断を受けた。RI/ARDSの発生率は、肥満群で 1.82%、非肥満群で 2.01%であった。術後経過でRI/ARDSを合併した肥満患者は、人工呼吸が必要となる頻度が有意に低かった(50% vs 55%)。院内死亡率は、非肥満群と比較して有意に低かった(5.45% vs 18.72%)。挿管を必要としたRI/ARDS患者の院内死亡率は、肥満群で11%、非肥満群で25%であった。多変量回帰分析では、肥満は術後RI/ARDS患者の院内死亡率の 69%低下と関係していた。

・本分析では、肥満は術後のRI/ARDSの発生率と院内死亡率の調整オッズ比の減少と関係していた。本結果は、「肥満パラドックス」という新しい概念を支持する。

[!]:肥満患者は常日頃から巨大な脂肪という重荷を負わされているので心肺機能はけっこうしっかりしているのかもしれない。

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