硬膜外麻酔は簡単であり、脊椎麻酔は難しい!

 教科書的には、脊椎麻酔は「容易」であって、硬膜外麻酔は「比較的難しい」のだが、個人的には逆である。脊椎麻酔も硬膜外麻酔も、どちらも1冊の本になるくらいだから実のところ、どちらも奥は深いのだろうが・・・。

 「脊椎麻酔は難しい。」と思う理由のひとつは「変数が多い。」ということだ。硬膜外は、「刺入点」と「使用する局所麻酔薬の量」で結果はほとんど決まる。しかも、その第2変数で、第1変数を補足することもできる。つまり、最適な刺入点よりも少々上下しても、注入する局所麻酔薬の量を多くしてやれば、何とか効かせることができるということだ。

 硬麻の場合、体位は右下だろうが左下だろうが大した差はない。使用する局所麻酔薬は、最初はキシロカインと決めている。ベーベルの向きは、前立腺を含む尿道手術でない限り頭側である。それに、硬膜外だけで勝負すること自体ほとんどなく、カテーテルを留置するから初期投与量が少なくても追加投与が可能であるし、個人的には必ず全麻併用である。

 ところが、脊椎麻酔の場合は、ほとんど一発勝負であり、「刺入点」、「薬液注入時の体位」、「ベーベルの向き」、「使用する薬液の種類」、「薬液の量」のいずれもがそこそこの比率で最終結果に重大な結果を及ぼす。さらに、薬液注入後短時間内の「盆の上で水をころがすような」微妙なヘッドアップあるいはヘッドダウンが最終的な仕上がりに影響する。

 硬麻は、「A+B=10」 を解く問題。「A」が決まれば、必然的に「B」も決まる。いろんな解があるけれど簡単だ。これに対比するならば、脊麻は、「A+B+C+D+E+F=10」を解く問題である。硬麻に比べると、その解の種類のなんと多いことか!それぞれの変数を自分で決めていかないといけない。これが、個人的に「脊椎麻酔は難しい」と思う理由だ。

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