ラリンジアルマスク留置の理論

ラリンジアルマスクの挿入自体はうまく行っても、その後の取り扱いがまずいとリークが激しくて再挿入したり、気管挿管に変更したりしなくてはならないことがある。

私が注意している点は、ラリンジアルを食道に楔入するまで挿入したら、麻酔回路には接続せずにすぐにカフに最大量-5ml程度のエアを注入し、5mm程度ラリンジアル全体が浮き上がってくるのを確認することである。このラリンジアルの位置がもっとも最適な留置位置のはずである。食道に楔入するまで挿入されたラリンジアルは、カフにエアを注入することで、自然にもっとも居心地のよい場所、喉頭をすっぽりと包み込む位置に自然に収まるようにできている。

しばしば、気管チューブと同様の手順で、ラリンジアルを回路に接続してからカフを注入しているのを見かけるが、この手順では上記の「浮き上がり」を確認できないことが多い。ラリンジアル挿入介助者に、この点については十分熟知してもらうか、その都度、「回路接続よりも前に、先にカフのエアを注入してください。」と指示を行うようにしている。

もしも、このわずかな「浮き上がり」現象が認められない場合は、ラリンジアル自体が十分には食道に楔入できていなかったか、カフがいびつな形で膨らんでいる可能性がある。つまり少し留置位置が浅いか、喉頭にうまくフィットしていないことがある。

左手でラリンジアルを固定しながら回路接続を行い、軽~く麻酔バッグを加圧し、リークなく換気が可能なら良い位置に収まったと判断し、一旦回路をはずしてテープ固定を素早く行う。気管チューブの場合は、人工換気しながらテーピングを行うことが多いが、ラリンジアルのテーピングは、回路に引っ張られたりしないように、回路は接続せずに行うようにしている。

回路とラリンジアルの接続は、ラリンジアルとLコネクタ、LコネクタとYピースなど複数の接続部を調節しながら、ラリンジアルに牽引力が加わって最適位置がずれたり、ラリンジアルの軸の向きが変わったりしないように気を付けながら行う。同時にラリンジアルの軸の黒いラインが患者の頭側正中に位置していることを確認する。

ラリンジアル挿入後に体位変換やベッド移動がある場合は、ラリンジアルが位置ずれを起こさないように細心の注意を払わなくてはならない。また、ラリンジアル管理中は、回路ホルダーを使用するなどして、麻酔回路の重量によってラリンジアルが引っ張られることがないように気をつける。

ラリンジアル挿入後には食道挿管も気管支挿管もありえないので、ラリンジアル挿入後に気管挿管と同様の5点聴診するのは明らかに的外れだ。あるとすれば、カフ量が少ないためか、喉頭へのフィッティング不良によるカフ・リークであり、これを聴取するには、頚部に聴診器を当てて聴取するのが合理的だ。カフに注入するエアの量は、頸部に聴診器を当てて呼吸音を聴取し、リークのない最低量に調節する。

【ラリンジアル留置のポイント】

・回路接続よりも先にカフにエアを注入
・浮き上がりを確認
・回路の接続は慎重に
・体位変換時の位置ずれに注意
・聴診は頚部で

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