精神疾患が術後死亡に及ぼす影響

Influence of Psychiatric Comorbidity on Surgical Mortality

Arch Surg. 2010;145(10):947-953. doi:10.1001/archsurg.2010.190

・5つの既存精神合併症が術後死亡率に与える潜在的影響を調べた。2003年10月1日~2006年9月30日までに、急性期ケア提供に指定された全退役軍人健康庁病院のICUに入室した35 539人の外科患者を対象とした後ろ向きのコホート研究である。

・主要な評価指標として、精神科的合併症(うつ病、不安症、心的外傷後ストレス障害、双極性障害、精神分裂症)の有無を、入院の前12ヵ月間に、外来患者名簿を使って確認した。エンドポイントとしては、院内30日死亡率を含んだ。一般化推定式によって、病院クラスター化、患者背景・術式・内科的合併症・疾患の重症度で調整した死亡率を説明した。

・入院時に、8922人の患者(25.1%)で精神科的合併症の存在を確認した。精神疾患の有無に関わらず、未調整30日死亡率は差がなかった(3.8% vs 4.0%、P=.56)。調整後、30日死亡率は、精神科的合併症のある患者で高かった(確率比率=1.21;95%信頼区間=1.07-1.37;P=.003)。個々の分析では、うつ病と不安症の患者では30日死亡率(それぞれ、P=0.01とP=0.02)が高かったが、他の病態では同様であった。

・精神科的合併症の存在は、術後患者の死亡率の適度の増加したリスクと関係していた。病態別では、不安症とうつ病でリスクの上昇が最も高かった。死亡率の高さは、不測の重症度の高さを反映しているのかもしれないし、あるいは、精神科的合併症のある患者での独特な管理上の問題点に起因するのかもしれない。

[!]:精神科的疾患、中でも不安症とうつ病の患者では、周術期に特別の配慮が必要だということだ。

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