自然呼吸法と深呼吸法による前酸素化:呼吸の持続時間と新鮮ガス流量の影響

Preoxygenation with Tidal Volume and Deep Breathing Techniques: The Impact of Duration of Breathing and Fresh Gas Flow

A & A May 2001 vol. 92 no. 5 1337-1341

・麻酔導入前の「前酸素化」の方法として、3~5分間の自然呼吸(TVB)、30秒で4回深呼吸(DB)、1分間で8回深呼吸など、ろいろなテクニックが提唱されてきた。しかし、これらテクニックの効果を比較したり、1分を超えて深呼吸を続けた場合の評価や、循環回路を使用して同一被検者で新鮮ガス流量(FGF)の影響を調査した研究はない。

・ぴったりフィットのマスクで循環回路から酸素を呼吸している健康成人ボランティア24人で、5、7、10L/分のFGFで、「5分間TVB」と、2分間の「4 DB/0.5分(つまり30秒間に4回の深呼吸を行う)」を比較した。吸気と呼気終末の呼吸ガスを30秒間隔で測定した。

・TVBの間、呼気終末酸素濃度(ETO2)は、急速にく増加して、FGF=5、7、10L/分で、2.5分までに、それぞれ、86%、88%、88%と安定水準に達した。ETO2≧90%は3~4分間で達成された。「4 DB/0.5分」では、FGF=5、7、10L/分で、ETO2=75%、77%、80%に増加した。「8 DB/1分」では、FGF=7、10L/分で、それぞれ、ETO2=82%、87%に増加した。FGF=10L/分で、深呼吸を1.5分、2分まで延長することで、ETO2≧90%にまで増やしたが、ETco2の減少が認められた。

・本研究から、TVB/3~5分が最大限の「前酸素化」を達成することに効果的である一方、「4 DB/0.5分」はそこまでの「前酸素化」には至らなかったことから、時間が制限される時にだけ使用されるべきであると結論した。FGFを5から10L/分に増やしても、TVBでも「4 DB/0.5分」でも「前酸素化」を促進することはなかった。深呼吸は、1.5分ないし2分まで延長して、なおかつFGF=高流量(10L/分)を使用した場合に、最大限の「前酸素化」が可能となる。

[!]:ちょっと古い文献なんですが、救急救命士さんから質問されて、即答できなかったことなので、文献的なエビデンスを検索した結果出てきた論文です。

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