最大呼吸法と自然呼吸法による前酸素化の比較

Comparison of Pre-oxygenation by maximal breathing and tidal volume breathing techniques

Indian Journal of Anaesthesia, Year 2006, Volume 50, Issue 3 [p. 209]

・新鮮がス流量5L/minで3~5分間自然呼吸する、という従来からの前酸素化の方法は、由緒ある手法である。しかし、もっと迅速な前酸素化の方法があれば、より実際的であり、特定の臨床状況(すなわちクラッシュ導入、胎児切迫仮死、3分間ぴったりフィットのマスクに協力できない患者)に役立つかもしれない。

・本研究では、自然呼吸による前酸素化手法と、新鮮がス流量10L/minで60秒間に深呼吸8回を行う最大呼吸と比較した。研究は、気管挿管を必要とする全身麻酔下に定時手術を受ける60人の健康成人患者を対象とした。患者は、前酸素化の手法により無作為に2群に分けた。Ⅰ群(n=30)患者は、酸素流量5L/minで3分間の自然呼吸を行うという従来型の前酸素化を受けた。Ⅱ群(n=30)患者は、酸素流量10L/minで60秒間に8回深呼吸をしてもらった。平均動脈血酸素飽和度(SpO2)、動脈血酸素分圧(PaO2)を測定し、両群で比較した。無呼吸に誘発される酸素飽和度が92%に不飽和化されるまでの平均時間を記録した。

・前値からのSpO2の平均増加は両群で同様であった。「60秒間に8回深呼吸」後のPaO2の平均酸素分圧=327.49±56.30mmHgで、それは従来の方法後のPao2(215.13±47.76)よりも有意に高かった(p<0.0005)。また、無呼吸後の脱酸素飽和時間は、従来法よりも、60秒間8回深呼吸法の方が遅かった(4.70±0.27分 vs 対3.70±0.44分)。

・新鮮がス流量10L/minで60秒間8回深呼吸法による前酸素化は迅速な前酸素化が可能で、クラッシュ挿管や挿管・換気困難が予想される場合、非常に協力的でない患者などの、特定の臨床状況では良い代替手段となるかもしれない。

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