心臓術後の多波長パルスオキシメータによる非侵襲的ヘモグロビン測定の正確さ

The Accuracy of Noninvasive Hemoglobin Measurement by Multiwavelength Pulse Oximetry After Cardiac Surgery
Anesthesia & Analgesia vol. 113 no. 5 1052-1057

・2008年3月に、非侵襲的にヘモグロビン濃度を測定できる新しい多波長酸素飽和度モニター、Radical 7(Rad7; Masimo社、アーヴィン、CA)が開発された。健康成人と一部の外科患者で、正確さが確認されたが、術後出血と貧血のリスクが高く、早期診断ができれば管理を改善できる患者群、心臓術後のICU患者では確立されていない。

・心血管ICUで実施された本前向き観察研究では、自動血液分析器(XE-2100(ロシュ、フランス)で測定した動脈血ヘモグロビン濃度をRad7が示すヘモグロビン濃度と比較した。Rad7(V 7.3.0.1[患者14人の42ポイントで比較]とバージョンアップしたV 7.3.1.1[患者27人の61ポイントで比較])の2つのソフトウェア・バージョンを1週間ずつの計2週間調査した。バイアス(2つの測定法の差と定義される)(Masimo SpHb - XE-2100 ヘモグロビン)を計算した。バイアスが負であることから Masimo がアナライザーと比較してヘモグロビンを過小評価することが示された。Rad7が示す潅流インデックス(perfusion index)とヘモグロビン・バイアスの相関関係も調査された。

・Rad7とXe-2100間の相関関係は、どちらのソフトウェア・バージョン(V 7.3.0.1でR2 = 0.11、V 7.3.1.1でR2 = 0.27)でも弱かった。V 7.3.0.1の平均バイアスは-1.3g/dL、V 7.3.1.1では-1.7g/dLであり、バイアスの95%予測間隔は広かった(それぞれ、-4.6~2.1g/dL、-5.7~2.3g/dL)。潅流インデックスが減少すると、ヘモグロビン・バイアスの絶対値は増加する傾向にあった。V 7.3.0.1ソフトウェアでは、バイアス絶対値の平均は、潅流インデックス<2の場合は、1.9g/dl、潅流インデックス>2の場合は0.8g/dlであった(P=0.03)。V 7.3.1.1では、バイアス絶対値の平均は、潅流インデックス<2の場合は、2.1g/dl、潅流インデックス>2の場合は1.6g/dlであった(P=0.26)。

・本研究から、多波長酸素飽和度モニターで非侵襲的に測定したヘモグロビン値と検査室血液分析器との間の相関関係は乏しいことが示された。酸素飽和度モニターの灌流インデックスが低い場合~ショックや低体温、血管収縮している患者では起こる可能性がある~その差はより大きかった。多波長酸素飽和度度モニター(でのヘモグロビン測定)は、心血管ICUでの臨床使用には十分に正確とはいえない。

[!]:本当に必要な状況の場合には、いまだ実用的には使用できないということか。残念だな。

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