電子麻酔記録導入奮闘記 その33

■ 2009年10月28日:心外開心術時の paperChart 入力について

 10/26(月)の開心術時に、paperChart での麻酔記録を試みたが、どうしても薬剤とラインの数が多すぎて入力できなかった。たとえ、入力可能な症例があったとしても、それはたまたま運が良かったに過ぎない。使用薬剤数が増えても入力ができるようにするには、いったいどうすればよいのだろうか。

 他施設で使用している電子麻酔記録では、使用薬剤欄がどんどん増えていくようなしくみになっているようだ。しかし、paperChart はそのようにはなっていない。自動的に薬剤欄が増えて行ったりはしない。

 表示不可能となる1つの理由としては、paperChart は必ず、使用した薬剤の合計投与量を計算して表示しようとするから、1回だけ使った薬も1行を占有してしまうためだ。

 そこで、発想を逆転して IN/OUT に使用する20行の表示行を予め何を記載する欄かを決めてしまっておいて、その20項目からはずれる薬物はすべてコメントで入力することにすればよいのでは・・・、と考えた。

 20項目のうち、ライン5本と出血(吸引、ガーゼ)、尿量で8行を使ってしまうので、薬品に使用できるのは残りの12項目(行)だ。この12種類の薬品は、術中に使用量を変更する可能性の高い薬物を選択し、術中に投与量を変更しなくて済むような薬物は、薬剤欄には記載しないようにしてはどうだろうか?

 例えば、導入時のドルミカム、心肺前のソル・メルコート+トランサミン、ヘパリン、プロタミン、カルシウム、マグネシウム、メイロンなど比較的短時間で1回だけ投与する薬物や、プロポフォールTCIで開始から手術終了時まで2μg/mlで持続する場合、ハンプ、シグマートなど一定量で続ける薬物はコメント記載とするのだ。

 また、行数を少しでも節約するために、トリプル茶白青を1~2ライン記載にするとかもありかも。

 以下、通常使用するであろう、薬物とライン表記について詳細に検討してみた。

記載する項目:備考
1:O2:合計量が知りたいから入れたい
2:Air:必ずしも必要ない・・チャート上に吸入酸素濃度をプロットすれば
3:Sev:合計量が知りたいから入れたい
4:プロポフォール:TCIで一定にすれば必ずしも必要ない
5:フェンタニル:合計量が知りたいから入れたい
6:アルチバ:投与量を変更するから入れたい
7:エスラックス:随時追加するので入れたい
8:エフェドリン:たいてい使うし随時追加するので入れたい
9:ネオシネジン:たいてい使うし随時追加するので入れたい
10:DOA:いつも使い投与量を変更するから入れたい
11:ノルアド:必ず要るわけでないが使った時は投与量を変更するから入れたい
12:ペルジピン:降圧系薬剤やキシロカイン持続に1行確保
13:SGシース:個人的にはいつも輸血ルートとして使用するのでなくせない
14:トリプル茶:このルートは必ずしも別々に記載しなくてもよいのでは。
トリプル白+青でNS20ml/hr投与としたり、
トリプル茶白青でNS750mlで開始したり
15:トリプル白:
16:トリプル青(ミリスロール+ヘルベッサ)
17:末梢ライン:この行はなくせない
18:ガーゼ:この行はなくせない
19:吸引量:この行はなくせない
20:尿量:この行はなくせない

結論;う~ん、20行では絶対に、まったく、到底、本当に足りない!これは使えない。心外科だけは電子麻酔記録から外すべきなのか!?

■2009年10月29日:静注薬物用コメント記号「Ⅳ」

 昨日の考察から、他のコメントと区別するために静注投与薬物用に[Ⅳ]という記号を作った。記号欄で右クリックしてメニューから「静注」を選択する。
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 すると、記号欄に「Ⅳ」マークが記録される。これをクリックすると静注投与薬物用の専用のテンプレート・ウィンドウが表示さる。
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 このウィンドウから薬剤を選択してコメント入力とすれば、1回きりしか使用しないような薬剤にわざわざ1行を占有されなくても済む。投与量がすでに薬剤名のところで確定されている場合は投与量を記載する必要はなく、空欄とする。

 例えば、SGシースの生食にソルメルコートとトランサミンを添加したことを記録する場合、下図のように設定すれば、
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コメント欄には下図のように反映される。
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 なお、このテンプレート内にない薬物を記載する場合には、汎用の[コメント]ボタンを使用して「#」記号で記載することにする。

■2009月10月31日(土):心外科用 paperChart の完成

 今日は、準緊急のオフポンプCABGがあった。静注薬物用コメント記号「Ⅳ」を使って、問題なく麻酔記録を行なうことができた。シメシメとおもっていたのだが・・・、MEのMさんが「このⅣ記号で記入した薬物はインアウトの計算には入るの?」と聞いてきた。お~~~っと!!!、それはそうだ。

 このコメントで記入したものに関しては、インアウトの計算には、当然入らない。そもそも paperChart 自体、薬物の容量に関しては、インアウトの量としては計算していないので、輸液量の計算結果には影響を及ぼさないと考えられるのだが・・・。

 もう一度、paperChart の「設定ファイルの書き方」を調べてみた。すると、どうも薬剤とルートの20行というのは、固定ではなく、増やすこともできるようだ。早速、20行を30行に増やしてみた。なるほど、画面上は文字がきちきちで少しはみ出しそうだが、30行表示される。
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 ところが、いざプレビューしたり、PDFに出力するとなると、出力用のフォーマットは20行のままなので、罫線と文字表示が重なってしまう。う~~~ん、これは困った!
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 「よし、それなら出力用の印刷書式を30行に設定した心外科用 paperChart を作ればよいではないか!」・・・・ということで、心外科の部屋にだけは、「麻酔記録」アイコンと「心外科用麻酔記録」アイコンの2つが存在することとなった。

 通常の麻酔を行なうときは、「麻酔記録」アイコンで paperChart を起動する。SGカテーテルとトリプルを入れた症例で、投与薬物とライン数が多くなりそうな時は、「心外科用麻酔記録」アイコンで paperChart を起動する。

 後者の場合は、すでにSGシースとトリプルのライン設定がすでにされているので、ライン入力の手間が省ける。
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もしも、「心外科用麻酔記録」アイコンで paperChart を起動していても、投与薬物が多くなりすぎて、記載漏れが生じるようなら、静注薬物用コメント記号「Ⅳ」を使って1行を占有している薬物をコメント行に押しやる。

 よーーーーーーしっ!、これで完璧やん(なぜか関西弁)。

 明日(2009年11月1日)からは本稼動。目標とした期日に間に合うように、開心術でも支障なく使用できるような設定をなんとか行なうことができた。

 よく頑張りました3ヶ月間、いろんなハードルがあったが、なんとかクリアできた。自分の頭をナデナデ・・・・。自己満足の極地だ~~~!!!

つづく

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