腹腔鏡下の大きな腹部手術中の酸塩基平衡と中核温に及ぼす加熱吸吹送ガスの効果

The effect of heating insufflation gas on acid-base alterations and core temperature during laparoscopic major abdominal surgery
Korean J Anesthesiol. 2011 Oct;61(4):275-280.

・二酸素化炭素(CO2)には異なる温度環境の下では異なる生物物理学的特性があり、それは血液への吸収速度と関連した有害事象に影響を及ぼすかもしれない。本研究では、スチュワートの生理化学的アプローチを使った酸塩基平衡と、腹腔鏡手術中の体温に及ぼすCO2加熱の影響を調査することを目的とした。

・腹腔鏡下の大きな手術を受ける成人患者30人は、無作為に室温CO2(対照群、n=15)か、加熱CO2(加熱群、n=15)を受けるよう無作為化された。酸塩基パラメータは、麻酔導入後10分(T1)、気腹40分後(T2)、手術終了時(T3)、手術後1時間(T4)に測定した。体温は、手術終了まで15分毎に測定した。

・全研究期間にわたって、pH、PaCO2、見かけ上のSID、強イオンギャップ(SIG ; strong ion gap)、重炭酸イオン、乳酸については両群間に有意差はなかった。T2では、pHは減少した一方で、PaCO2はT1と比較して両群で上昇しが、これらの変化は有意ではなかった。加熱群の体温は、気腹後30分から90分で対照群より有意に高かった。

・人工呼吸器が呼気終末CO2を一定に維持するように設定されていれば、腹腔鏡下の腹部手術を受ける患者で、吹送CO2の加熱は、酸塩基状態の変化とPaCO2には影響を与えなかった。しかし、加熱CO2は、気腹30分後の中核体温の低下を軽減した。

[!]:Stewartの生理化学的定量法をFiggeらが修正した方法

  • * 見かけ上のSID (SIDa ; apparent strong ion difference)=SIDa = [Na+] + [K+] + [Mg2+] + [Ca2+] - [Cl-] - [lactate].
  • * 有効強イオン差(SIDe ; effective strong ion difference) =SIDe = 2.46 × 10^(pH-8)× PCO2+ [Alb] × (0.123 × pH - 0.631) + [P hosphate] × (0.309 × pH - 0.469).
  • *強イオンギャップ SIG = SIDa-SIDe

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