開胸手術中の麻酔薬の免疫修飾効果

Immunomodulatory Effects of Anesthetics during Thoracic Surgery
Anesthesiology Research and PracticeVolume 2011, Article ID 317410, 6 pages

・開胸手術中の片肺換気(OLV)は、肺胞細胞の損傷と炎症誘発性メディエイター放出を誘導するかもしれない。本研究では、プロポフォールとイソフルラン麻酔が開胸手術中の肺胞および全身の免疫修飾に及ぼす効果を評価すべく計画された。

・開胸手術を受ける50人の成人患者は無作為に、プロポフォール(n=25)またはイソフルラン(n=25)麻酔を受けるよう割付けされた。 主要転帰項目はインターロイキン-8(IL-8)と腫瘍壊死因子-α(TNF-α)とした一方で、副次転帰項目は、マロンジアルデヒド(MDA)、過酸素化物ジスムターゼ(SOD)の肺胞・血漿濃度、肺胞アルブミン濃度と細胞数の変化とした。

・IL-8とTNF-αの肺胞および血漿濃度はイソフルラン群で有意に低かったが、MDAの肺胞および血漿濃度はプロポフォール群で有意に低かった。肺胞および血漿SOD値は、プロポフォール群で有意に増加したのに対し、イソフルラン群では有意な変化を示さなかった。さらにまた、イソフルラン群患者では、肺胞アルブミン濃度と細胞数が有意に低かった。

・イソフルランは開胸手術中に、OLVに関連した炎症反応を低下させ、癌患者のような炎症誘発性サイトカインが高値であることが予測される患者群では、プロポフォールよりも好ましいかもしれない。

[!]:最近こういう論文が多いなあ。揮発麻酔薬は抗炎症、細胞保護的に作用する。上行性網様体賦活系当たりにしか作用しないプロポフォールに対し、全身の細胞レベルで作用する揮発麻酔薬。「覚醒の質」を取るか、「臓器保護」の実を取るか。

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