妊婦で不慮の硬膜穿刺後に両側性大脳半球間硬膜下血腫

Bilateral interhemispheric subdural hematoma after inadvertent lumbar puncture in a parturient
Canadian Journal of Anesthesia published online 04, January 2012

急性硬膜下血腫.png・大脳半球間の硬膜下血腫 (ISH)は成人では稀であり、ほとんどは頭部外傷後に発生する。著者らは、分娩時鎮痛のために硬膜外カテーテルを留置する際に誤って硬膜穿刺をした後に、両側の急性 ISH を発症した妊婦を報告している。著者らは、この種の硬膜下血腫の特徴、病態生理と管理について議論している。

・38 歳の女性が分娩時痛を軽減するために硬膜外麻酔を望んだ。17G Tuohy 針の穿刺中に不慮の硬膜穿刺が発生した。分娩と出産の後に、患者は硬膜穿刺後頭痛の症候を訴え、硬膜外血液パッチに対しても反応は部分的であった。その後の患者の頭痛は、体位依存性が少なくなり、下肢に放散する鋭い痛みと、体の左側の異常知覚の症状を伴った。CT スキャンで右前頭部と左頭頂部に、頭蓋内占拠効果のない急性の ISH が見られた。患者は、ICU でモニターされ、比較的 ISH のサイズが小さく、継続的な診察に神経学的欠損が進行しないことから保存的に治療された。毎日の CT で、徐々に頭痛の軽減とともに ISH サイズの減少が見られた。

・大脳皮質と上矢状静脈洞の間の架橋静脈の破断が ISH の一般的なメカニズムである。血腫サイズが比較的小さい場合には転帰は良好であるが、ISH 患者の約四分の一は命を落とす。血腫の厚み<1cm なら、精神状態に変化、痙攣発作や巣状脱落症状がない場合には、保存的治療が勧めれるが、ISH が大きい場合や進行性の神経学的悪化の兆候があれば、死亡を回避するためにはほとんどの場合外科的ドレナージが必要となる。

[!]:硬膜外麻酔時の不慮の硬膜穿刺は、脊椎麻酔に比べて針が太いために、妊婦(若い女性)では頭痛はほぼ必発であろう。しかも、急性硬膜下血腫の危険性もあるとなれば、硬膜外麻酔時には細心の注意を払わねばならない。

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