気管チューブ挿入長に関する 3 つのポリシー

 気管チューブの深さ(挿入長)に関する公式としては、日本の麻酔学教科書では、「12+年齢÷2」がよく知られているようであるが、年齢、体重、身長のうちでもっとも相関がよいのは身長である。

 私は、気管チューブを留置するときに気をつけている 3 つの単純なポリシーというか、法則がある。
一つは、マッキントッシュ喉頭鏡を使用して挿入する際の手技上の注意点であり、後の二つは公式に従ったものである。

【1】 気管チューブの先端がわずかに声門を通過したときに、気管チューブをさらに「進めたい距離」だけ、チューブが口角から外に出た部分を親指と示指で把持し直して、(スタイレット抜去後に)親指と示指が患者の口角に達するまで一気に挿入するのである。そうすれば、必然的にチューブ先端は声門から「進めたい距離」分だけ先に位置することになる。
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【2】 使用した「気管チューブの太さ(ID)×3」よりも深くしない。新生児で 3mm を使用したのなら ×3=9 cm より深くしない。5 歳の小児で 5 mm チューブを使用したのなら 15 cm、成人で 7 mm を使用したのなら、7×3=21 cm よりも深くしない。8.5 mm を使用したのなら、8.5×3=25.5 cm よりも深くしない。

【3】 「身長÷10+5」~「身長÷8」程度の深さであることを確認する。

 気管挿管にマッキントッシュ喉頭鏡を使用しなかった場合には、(2)と(3)を参考にして挿入長を決める。

[参考文献]
(1) Assessment of airway length of Korean adults and children for otolaryngology and ophthalmic surgery using a fiberoptic bronchoscope
日本語訳

(2) Front teeth-to-carina distance in children undergoing cardiac catheterization.
日本語訳

[追記]
【2】の「ID×3よりも深くしない」の由来
(1) 研修医のころに「年齢、使用する気管チューブの太さ、チューブの深さ」の関係を表した一覧表とにらめっこをして、この法則を見出した。

(2) 年齢を変数とした、チューブの太さ「4+年齢÷4」とチューブの深さ「12+年齢÷2」の2つの公式から、チューブの太さ×3=12+年齢×3/4」>「12+年齢÷2」は明らかである。つまりチューブの深さは、「使用したチューブの太さの3倍よりも深くしてはいけない。」という法則を導くことができる。

(1)で編み出した法則は、(2)で証明された。

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