レミフェンタニルでアタフタしない裏技!!

 レミフェンタニルは、すごく切れの良いカミソリのような薬だと感じている。メーカーはたくさん使って欲しいから、何でもかんでもレミフェンタニルでやって欲しいのだろうが、麻酔の導入には、ちょっとキレが良すぎて使いにくい。フェンタニルの方がゆっくり効いてきて対処がしやすい。

 ちょうど、脊椎麻酔と硬膜外麻酔の関係に似ている。

 レミフェンタニル vs フェンタニル ≒ 脊椎麻酔 vs 硬膜外麻酔

 ということで、私は、麻酔導入は、もっぱらフェンタニルで行って、導入後、手術開始前にレミフェンタニルを開始するのが通例だ。それでも、ちょっと目を離しているすきに、降圧剤を投与したかのように血圧が下がってしまっていることがある。

 そんな時、1ルートで管理していて、その側管からレミを投与していたりすると、昇圧剤を投与したいのに、ルート内に存在するであろうレミもいっしょに押し込んでしまうことになり、事態はさらに悪化しかねない。

 そこで、そのような事態を避けるために、レミフェンタを主麻酔薬として使用する場合には、2ライン確保しておくのを常道としている方も多いのではないだろうか。しかし、そもそもはレミフェンタニルという薬は、とにかく血圧が下がりやすい薬なのだ。

 レミフェンタニルの国内臨床試験における副作用発生率は66.9%である(この数値はこれまで臨床使用された静脈麻酔薬の中で断トツの1位なのではないか、と思うのだが・・・)。そのうち、最も高頻度に生じる副作用は低血圧(41.2%)である。次いで徐脈(22.1%)、悪心嘔気(17.6%)、悪寒(11.0%)、嘔吐(9.6%)、筋硬直(3.0%)、呼吸抑制(1.8%)となっている。

 副作用の1番目と2番目が、血圧低下と除脈でなのである。

 そこで、レミフェンタニルを希釈する際(通常は 20 ml の生食を使用)に、生食 19 ml +エフェドリン 1ml(40mg)で希釈する。また、麻酔導入時の血圧の下がり方によっては、生食 18ml+エフェドリン 1ml +ネオシネジン 1 ml(1mg)を使用してもよいであろう。

 こうすることで、レミフェンタニルを使用する際に高頻度に起こる副作用を事前に予防することが可能である。

 どうぞお試しあれ!

 脊椎麻酔をするときに、あらかじめ昇圧剤を準備しておいたり予防投与するのと同じである。ちなみに、私は、脊椎麻酔を行った直後に、抗生剤 100ml 内にエフェドリン 12mg 入れて、15分程度で落としている。脊椎麻酔による血圧低下をちょうど相殺してくれる。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 7

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
面白い

この記事へのコメント

ゆもさん
2012年06月23日 09:09
レミを濃いめで使う私が最近同じ事を(ノルアド1A入りとか)コッソリしてました。50mlシリンジにて。
なんだか親近感わきました。
ひろ
2017年12月07日 15:12
初期研修医です。
レミフェンタニルに昇圧系混注は面白い方法だと思うのですが、タキフィラキシー効果でエフェドリンの効果は術中どこかで切れそう&ボーラスも効かなくなりそうという2つの問題がありそうに思えるのですが、実際どうなのでしょうか?
SRHAD-KNIGHT
2017年12月11日 23:32
おそらく心配しておられるような事態というのは、エフェドリンを時間1アンプルで数時間以上持続投与したような場合にしか起こらないと思います。個人的には、1件の手術にエフェドリンは2A(=80mg)以上は使用したことがありませんが、そのような場合、エフェドリンが効かなくなるというようなことはあまり経験したことがありません。レミフェンタニル2mg にエフェドリン1A(40mg)を加えた場合、エフェドリン 80mg を消費するには、6~8時間程度必要と思います。それ以上長くかかる手術では、間接作用ではない直接作用を持つフェニレフリンやノルアドレナリンを使用した方が良いかもしれませんね。

この記事へのトラックバック