重症セプシス患者で膠質液 vs 晶質液による体液回復が、ショック離脱、輸液バランス、転帰に及ぼす効果

Effects of fluid resuscitation with synthetic colloids or crystalloids alone on shock reversal, fluid balance, and patient outcomes in patients with severe sepsis: A prospective sequential analysis
Critical Care Medicine: September 2012 - Volume 40 - Issue 9 - p 2543-2551

・セプティック・ショック患者でショックからの回復と必要とした輸液量を評価することを目的とした。

・単施設の 50 床の外科 ICUでの、一連の重症のセプシス患者を対象とした、3 種類の異なる治療時期を比較する前後比較の前向き研究である。第 1 期は、ハイドロキシエチル・スターチ(主に、6% HES 130/0.4 )、第 2 期は 4% ゼラチン、第 3 期は晶質液のみによって、所定の血行動態目標を達成するべく輸液を行った。主要転帰は、ショックからの回復に要した時間(血清乳酸<2.2 mmol/L)、かつ昇圧剤の使用中止)。血行動態目標は、平均動脈> 70mmHg;ScvO2<70%;CVP> 8mmHg。安全性の転帰結果は、RIFLE(Risk, Injury, Failure, Loss of kid- ney function and End stage of kidney disease)分類で定義される急性腎傷害と、腎代替療法の新たな必要性であった。

・血行動態測定値、血清乳酸、クレアチニンは、全研究期間で前値は同様であった(ヒドロキシエチル・スターチ n=360、ゼラチン n=352、晶質液のみ n=334)。重症度スコア、在院日数、ICU あるいは院内死亡率に有意な群間差はなかった。全群で、ショックからの回復時間は同様であった。晶質液群では、最初の 4 日間にわたってより多くの輸液を必要とした(輸液比 1.4:1[晶質液 vs ヒドロキシエチル・スターチ ]と 1.1:1[晶質液 vs ゼラチン])。第 5 日目以後輸液バランスは、晶質液群でマイナスが大きかった。ヒドロキシエチル・スターチとゼラチンは、急性腎傷害の独立危険因子であった(それぞれ、オッズ比、2.55、95% 信頼区間 1.76-3.69、1.85、1.31-2.62)。合成膠質液を投与された患者は、有意に多量の同種血液製剤を投与された。

・ショックからの回復は、合成膠質液でも晶質液でも同様に早く達成される。膠質液の使用は、必要とする蘇生輸液量がわずかに少ないという結果となった。低分子量のハイドロキシエチル・スターチもゼラチンもいずれも腎機能を障害するかもしれない。

[!]:セプシスで血管透過性が亢進している時期には、膠質液は血管内液保持にはそれほど有効ではなく、むしろ腎機能を障害しやすいということか。また、膠質液は、血管内に保持される分だけ、ヘモグロビンを希釈して見た目の貧血を助長するために輸血量が増加してしまう。


<関連文献>

1.重症敗血症患者での合成膠質液と晶質液の腎への影響:前向き連続比較

2.敗血症患者の早期目標指向治療で微小循環回復に6%HESと生食を比較

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