正常な上気道解剖を有する麻酔下の患者で、マスク換気に及ぼす筋弛緩の効果

Effects of Muscle Relaxants on Mask Ventilation in Anesthetized Persons with Normal Upper Airway Anatomy
Anesthesiology: September 2012 - Volume 117 - Issue 3 - p 487-493

・最近の研究は、筋弛緩薬がマスク換気に役立つことを示している。しかし、これらの研究は、換気に影響する機械的要因をコントロールしていないので、筋弛緩薬がマスク換気に及ぼす直接的効果については依然として不明である。筋弛緩薬、ロクロニウムか、あるいはサクシニルコリンは、マスク換気を改善するという仮説を検証した。

・正常な上気道解剖を有する麻酔下の成人で、ロクロニウム(n=14)か、あるいはサクシニルコリン(n=17)で誘発した筋弛緩の前と最中に、頭位と下顎を正中に、呼吸器の気道内圧を維持しながらマスク換気中の一回換気量を測定した。経口と経鼻エアウェイルートの 1 回換気量を、オーダーメードの口腔と鼻腔とを分けたフルフェイス・マスクで測定した。経口エアウェイの作用は、サクシニルコリンを投与された追加被験者で内視鏡によって観察された。

・ロクロニウムによる完全な筋弛緩時には、合計、経口、経鼻の 1 回換気量は有意には異ならなかった。対照的に、サクシニルコリンでは、投与 60 秒後には、両気道ルートを通しての換気が増加したために総 1 回換気量は有意に増加した(平均±SD; 4.2±2.1 vs 5.4±2.6ml/kg、p=0.02)。突然の 1 回換気量の増加は、経鼻ルートよりも経口ルートの方が多かった。6 人の全患者で、咽頭の線維束攣縮中に、内視鏡的に、口咽頭峡部のスペースが拡張するのが観察された。

・ロクロニウムはマスク換気を悪化させなかった。サクシニルコリン投与後には、咽頭の線維束攣縮中の気道拡張に関連して改善された。この効果は、線維束攣縮の解消後には、その効果は続いたが程度は少なかった。

[!]:そうなんだよ、筋弛緩薬を投与した方がマスク換気はスムーズにできるんだよ。筋弛緩剤も使わずに一生懸命「まずは換気できることを確認」しようとするから、換気不能に陥ったり、マーゲンをパンパンにしてしまったりするんだよ。私は、ほとんどいつもタイミング・プリンシプル(筋弛緩薬を先に投与)でやっている。

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  • ロクロニウム投与のタイミングはどうするか?

    Excerpt: ロクロニウムの投与の仕方には、「プライミング」、「タイミング」などというキーワードが存在する。投与しようとする量を、経静脈的に一気に注入するのは「ボーラス投与」。 Weblog: 麻酔科勤務医のお勉強日記 racked: 2016-11-15 14:54