人工心肺を伴う心臓手術中の中等量トラネキサム酸とけいれん発作:発生率と臨床転帰

Moderate dosage of tranexamic acid during cardiac surgery with cardiopulmonary bypass and convulsive seizures: incidence and clinical outcome
Br. J. Anaesth. (2012) doi: 10,093/bja/aes310 First published online: September 17, 2012

人工心肺.png・人工心肺を伴う心臓手術後の患者の ~1% に痙攣発作(CS)が起こる。最近の調査では、高用量のトラネキサム酸(TA)(≧60mg/kg)を投与された心臓手術患者では、 CS が 7 倍にまで増加することが示された。

・4883 人の心臓手術患者を後ろ向きにデータ分析して、主要エンドポイントとして、TA を投与されなかった参照群に比較して中等量の TA(24mg/kg)を投与された患者の CS 発生頻度を調査した。副次エンドポイントは ICU 在室期間と院内死亡率であった。propensicy score (PS)で調整したロジスティック分析を実施して、TA 使用/非使用と臨床的転帰の関係を検証した。

・参照群と比較して、TA 群の CS の PS-補正オッズ比(OR)は、1.703であった[95% 信頼区間(CI): 1.01-2.87; P=0.045;発生率 2.5% vs 1.2%]。対数(ICU 在室期間)は有意に長く(P=0.004)、PS 調整した相対的な院内死亡リスクは、参照群に比して TA 群で有意に大きかった(OR=1.89; 95% CI: 1.21-2.96; P=0.005)。TA 関連 CS 発生率と院内死亡リスクの両方だけが、開心術を受けた患者で有意であった(それぞれ、OR=2.034、95% CI: 1.07-3.87; P=0.034 と OR=2.20(95% CI): 1.32-3.69; P=0.003)が、冠状動脈バイパス移植術を受ける患者では有意ではなかった(それぞれ、OR=1.21、95% CI: 0.49-3.03; P=0.678 と OR=1.13(95% CI): 0.42-3.02;P=0.809)。

・開心術では、中等量の TA でさえ、CS と院内死亡が 2 倍の頻度で起こることと関係している。心臓手術における TA の安全面をさらに評価するには前向き試験が必要である。

[!]:トラネキサム酸は心臓手術、特に人工心肺を使用した開心術では、離脱後の出血をできるだけ少なくしたいことから、麻酔と心肺側から合計 2~4g を使用しているが、死亡リスクがそんなに上がるのであれば再考する必要があるか!?

<関連文献>

1.心臓手術後の痙攣:トラネキサム酸とその他の危険因子の影響

2.小児心臓手術での出血量に及ぼすトラネキサム酸の効果:無作為試験

3.トラネキサム酸は OPCAB 後の出血を減少させる;前向き無作為二重盲式偽薬対照研究

4.オフポンプCABG手術でトラネキサム酸は輸血量減少と関係している:系統的レビューとメタ分析

5.大動脈弁とCABGの複合手術を受ける高齢者でトラネキサム酸は輸血量を減少させる:無作為対照研究

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