CABG で麻酔中と術後期にセボフルランとプロポフォールの心保護効果:2 重盲式無作為試験

Cardioprotective effect of sevoflurane and propofol during anaesthesia and the postoperative period in coronary bypass graft surgery: a double-blind randomised study
European Journal of Anaesthesiology: December 2012 - Volume 29 - Issue 12 - p 561-569

CABG2.png・揮発性麻酔薬は、虚血性プレコンディショニングやポストコンディショニングに似た効果によって、直接的心保護特性を有する可能性がある。心臓手術患者の臨床転帰は、論争の的で、術中の麻酔剤の投与タイミングに関連があるのかもしれない。CABG 患者でのセボフルランの心保護効果は、麻酔中だけでなく、術後に ICU で人工呼吸からウィーニンするまで少なくとも 4 時間 継続すれば、その効果は大きくなるだろうと仮定した。

・2006 年 7 月から 2007 年 7 月までの単施設での、二重盲式ダブルダミー前向き無作為化対照臨床試験である。75 人の患者は、プロポフォール(対照群、n=37)か、セボフルラン(n=36)のいずれかで、麻酔と術後鎮静を受けるよう無作為に割り当てられた。心筋バイオマーカーを、術前、ICU 入室時、6、24、48、72 後に測定した。変カ薬投与の必要性、ICU 在室期間と在院期間も記録した。心筋バイオマーカーの上昇が、主要エンドポイントであった。副次エンドポイントは、血行動態事象と ICU 在室期間と在院期間であった。

・壊死バイオマーカーは、両群で、術後期には有意に増加し、どの時点においても有意差はなかった。変カ薬投与は、プロポフォールとセボフルラン群で、それぞれ患者の 72.7% と 54.3% で必要とされた(P=0.086)。血行動態変数、不整脈の発生率、心筋虚血や ICU 在室期間、在院期間は両群間で有意差はなかった。

・CABG を受ける患者群で、術後に少なくとも 4 時間、ICU で鎮静剤としてセボフルランを持続投与しても、プロポフォールに比べて、心筋障害のバイオマーカーの程度と時間経過に有意な改善をもたらすことはなかった。

[!]:通常の薬物のように単に投与すれば効果が上がるというのではなくて、「実際に心筋虚血により心筋に有意な障害が起こるゾ!!」というタイミングでセボフルランが投与されているかどうかが重要なのかもしれない。CABG 中の、心停止液を 5% セボフルランと平衡状態にしておいて冠動脈内注入するというのはどうだろうか。

<関連文献>

1.セボフルラン vs プロポフォールによる心筋酸素化ストレス保護:オフポンプCABGを受ける患者での研究

2.オンポンプCABGでのセボフルラン vs プロポフォール麻酔が術後認知機能に与える影響:無作為対照研究

3.CABG手術患者で、S100β 値と血行動態指数との相関を3種の麻酔法で比較

4.僧帽弁手術を受ける冠動脈疾患患者でセボフルラン vs プロポフォール:無作為研究

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