帝王切開後の新生児血糖値に及ぼすブドウ糖含有輸液剤の影響

The effect of intravenous glucose solutions on neonatal blood glucose levels after cesarean delivery
Journal of Anesthesia published online 11 November 20112

・帝王切開分娩当日には、術前絶食の影響を最小限にしたり血行動態を安定させるために、母体に点滴がしばしば施行される。輸液剤の種類が異なれば含まれるブドウ糖量も様々で、急速投与は新生児に低血糖症を引き起こすことになるかもしれない。本研究では、0、1、5% のブドウ糖を含むリンゲル溶液を急速投与した後に、母体と胎児/新生児の血糖濃度を比較する研究を実施した。これら輸液剤のブドウ糖負荷が、帝王切開中に及ぼす効果については十分には報告されたことがない。そこで、0% (Ⅰ群、 n=15)、1%(Ⅱ群、 n=15)、5% (Ⅲ群、n=15)のブドウ糖含有酢酸リンゲル液が母体と臍帯血のブドウ糖濃度に及ぼす影響を比較して、最適なブドウ糖濃度を調査した。

・患者が手術室に入室するとすぐに、分娩前に輸液剤を投与した。主要エンドポイントは臍帯血糖濃度の変化と新生児血糖最低値であり、副次エンドポイントはブドウ糖点滴を受けた新生児の割合であった。

・輸液前後の母体の血糖濃度は、Ⅰ群で 79.2±12.2 と 74.6±4.6、Ⅱ群で 81.2±12.9 と 103.3±11.2(p<0.001)、Ⅲ群で 82.3±8.7 と 252.5±41.8(p<0.001)であった。臍帯血糖濃度は、Ⅰ群で 53.9±10.2、Ⅱ群で 80.8±13.7、Ⅲ群で 181.8±22.2 であった(p<0.01:Ⅰ群 vs Ⅱ群、p<0.01:Ⅱ群 vs Ⅲ群)(p<0.001:Ⅰ群 vs Ⅲ群)。出生 8 時間後までに測定された新生児血糖濃度の最低値は、Ⅰ群で 35.7±9.6、Ⅱ群で 49.8±10.8、Ⅲ群で 29.2±7.5 であった。初回授乳前にブドウ糖投与を必要とする新生児低血糖症は、母体がⅠ群であった新生児の 6 人、Ⅱ群の場合は 3 人、Ⅲ群の場合は 9 人に発生し、Ⅱ群で新生児低血糖が少ない傾向を示した。

・1% ブドウ糖含有酢酸リンゲル液の使用は母体の高血糖を誘発せず、適切な胎児血糖濃度を維持することができた。

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