麻酔ワゴンの製作

 当院では、従来(20年以上前)から、麻酔に関連したグッズを収納するための、いわゆる「麻酔カート」がなかった。唯一麻酔カートと呼べるのは、小児用の麻酔物品をまとめて収納した「小児用麻酔カート」ぐらいであった。

 手術室の各部屋には、喉頭鏡や各種サイズのチューブ、エアウェイ、バイトブロックなどの気道確保用の物品を収納した金属製の 3 段の引き出しの付いた「麻酔車」と呼ばれる移動式の机のようなものと、各種シリンジや注射針、各種の薬剤、手袋、こまごまとした手術用物品を収納した書類整理棚があった。
【麻酔車】
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【書類整理棚】
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 麻酔を行うには、麻酔車の引き出しから気道確保用の物品を取り出して準備し、麻酔に必要な薬剤は、書類整理棚の上で、注射器と針、薬液アンプルをそれぞれ引き出しから取り出して準備するというスタイルだった。

 しかし、各部屋で使用した薬剤のコスト漏れが頻繁に起こっており、看護師の薬剤補充業務に多大な時間を要するのが問題となり、数年前に麻酔薬剤セットを作成して、患者ごとに薬剤セットを入れ替えることができるようにした。そのおかげで、補充業務は、薬剤部が一括し行ってくれるようになり、コスト漏れはほとんどなくなり、補充業務もずいぶんと軽減された。

 それに気を良くして、気道確保用具もセット化して、患者ごとに入れ替えるようにした。

 今回は、シリンジや輸液に関連した物品をセット化して運用するととともに、輸液剤も部屋ごとにバスケットでセット化して、従来の麻酔車と書類整理棚を、「麻酔ワゴン」と「手術ワゴン」に置き換えることにした。
【左が手術ワゴン、右が麻酔ワゴン】
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 薬剤セット、気道確保セット、輸液シリンジセット、を収納して実際に使用する場合は、以下のようになる。
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 ちなみに、これはワゴンのスライド式棚をひきだしたところ。
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 気道確保セットをワゴンテーブル上に置いたところ。
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 通常の麻酔カートは、救急カートと同様に、数十万円もするが、けっして使い勝手が良いとは言えないのではないだろうか。今回作成した「麻酔ワゴン」と「手術ワゴン」は、実はキッチンワゴンで、その組み立て方を少し工夫して変更し、手術ワゴンには、ワイドチェストとレターケースを組み込んだ。あとは、100 均でいろいろと部品を調達して、使い勝手が良いように工夫を加えた。

 費用であるが、一部屋あたりは、合計で¥18000 程度で、これを今回は、7 部屋分作成したので、12 万円程度の出費で済んだ。麻酔カート 1台分以下だ。医療用のトレイは 1枚数千円もするし、それを収納するカートはべらぼうに高価だ。それに比べると、一般の家庭用のキッチンワゴンがベースだから非常に安価だ。

 通常の麻酔業務を行いながら、土日も返上で 1週間で 11 台のワゴンの組み立てを行ったのでかなり疲弊したが・・・、この先少なくとも 10 年は毎日使われていくものだと思えば、その苦労も大したことはない。


 もしも、使用した材料や製作過程の詳細を知りたい方がおられれば、コメントください。その都度、ブログでお答えいたします。

--追記--

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