ARDS のない患者での低 1 回換気量の肺保護換気の使用と臨床転帰との関係:メタ分析

Association Between Use of Lung-Protective Ventilation With Lower Tidal Volumes and Clinical Outcomes Among Patients Without Acute Respiratory Distress SyndromeA Meta-analysis
JAMA. 2012;308(16):1651-1659. doi:10.1001/jama.2012.13730.

・低 1 回換気量を使った肺保護的人工呼吸が、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者の転帰を改善することがと分かった。低 1 回換気量の使用は、また ARDS のない患者にとっても有益であることが示唆された。本研究の目的は、低 1 回換気量の使用は ARDS のない人工呼吸患者の転帰改善と関係しているか調査することであった。

・データ・ソースは、MEDLINE、CINAHL、Web of Science、コクランセントラルに 2012 年 8 月までに登録された研究である。該当研究は人工呼吸開始時点で ARDS のない患者で、低 1 回換気量 vs 高 1 回換気量使用を評価し、肺傷害の発生、全死亡率、肺感染、無気肺、生化学的検査値の変化を報告しているものとした。3 人の評価者が研究特性、方法、転帰についてのデータを抽出した。意見の相違は、コンセンサスによって解決された。

・20 個の文献(参加者は 2822 人)が対象となった。固定効果モデルを使用したメタ分析では、低 1 回換気量による人工呼吸患者で、肺傷害発生の減少(危険率[RR]、0.33; 95%CI、0.23~0.47; I2、0%; NNT、11)と、死亡率(RR、0.64; 95%CI、0.46~0.89; I2、0%; NNT、23)の低下が示された。肺傷害発生の結果は、研究の種類(無作為 vs 非無作為化)によって層別化した場合には同様で、肺感染は無作為試験でのみ有意で、死亡率は、非無作為化試験でのみ有意であった。ランダム効果モデルを使用したメタ分析では、肺保護換気群では、肺感染の発生率が低く(RR, 0.45; 95% CI, 0.22 to 0.92; I2, 32%; NNT, 26)、平均(SD)在院期間が短く(それぞれ、6.91[2.36] vs 8.87[2.93]日、それぞれ; 標準化平均差[SMD]、0.51; 95%CI、0.20~0.82; I2、75%)、平均(SD)PaO2 が高く(それぞれ 41.05[3.79]vs 37.90[4.19]mm Hg、SMD、-0.51; 95%CI、-0.70~-0.32; I2、54%)、平均(SD)pH 値が低かった(それぞれ 7.37[0.03] vs 7.40[0.04];SMD、1.16; 95%CI、0.31~2.02; I2、96%)が、吸入酸素濃度分画に対する PaO2 比は同様であった(それぞれ、304.40 [65.7] vs 312.97 [68.13]; SMD, 0.11; 95% CI,-0.06 to 0.27; I2, 60%)。2 群間の 1 回換気量の比は最終転帰には有意には影響しなかった。

・ARDS のない患者で、低 1 回換気量の保護的換気は、良好な臨床転帰と関係していた。メタ分析の限界のいくつかは、人工呼吸器の設定が混在していること(ICU や手術室)と、人工呼吸の持続期間であった。

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