術中デキサメタゾンが術後鎮痛と副作用に及ぼす影響;系統的レビューとメタ分析

Impact of perioperative dexamethasone on postoperative analgesia and side-effects: systematic review and meta-analysis
Br. J. Anaesth. (2012) doi: 10.1093/bja/aes431 First published online: December 5, 2012

デキサメタゾン6.png・デキサメタゾンの術中単回投与の鎮痛j効果と副作用は明らかではない。デキサメタゾンの静脈内単回投与が術後疼痛に及ぼす影響を評価し、この処置に関連した有害事象を調査するために系統的レビューを行った。

・MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Cochrane Register で、全身麻酔を受ける成人患者でデキサメタゾン vs 偽薬または制吐剤を比較し、疼痛に関する転帰を報告した、無作為対照研究を検索した。

・デキサメタゾンを 1.25~20 mg 投与された 5796 人の患者が関係した 45 研究が対象となった。デキサメタゾンを投与された患者は、術後 2 時間{平均差(MD) -0.49[95%信頼区間(CI): -0.83~-0.15]}と 24 時間[MD -0.48(95%CI: -0.62~-0.35)]の時点で、ペインスコアが低かった。デキサメタゾンで処置された患者は、2 時間[MD -0.87mg モルヒネ等価物(95%CI: -1.40~-0.33)]と 24 時間[MD -2.33mg モルヒネ等価物(95%CI: -4.39~- 0.26)]の時点でオピオイド使用量が少なく、我慢できない疼痛に対するレスキュー鎮痛薬の必要度が低く[相対危険度0.80(95%CI: 0.69、0.93)]、鎮痛薬の初回投与までの時間が長く[MD 12.06 分(95%CI: 0.80、23.32)]、PACU 在室時間が短かった[MD -5.32分(95%CI: -10.49~ -0.15)]。オピオイド節約効果に関しては、用量反応関係はなかった。デキサメタゾンに伴う感染症発生頻度の増加や創部治癒遅延はなかったが、24 時間時点での血糖値は高かった[MD 0.39mmol/L (95%CI: 0.04、0.74)]。

・デキサメタゾンの術中静脈内単回投与はわずかであるが、統計的に有意な鎮痛上の利益があった。

[!]:PONV 抑制効果も期待できるので、術後鎮痛に麻薬性鎮痛剤を使用するなら、糖尿病がひどくなければルーチンにデキサメタゾンを少量併用投与してもよさそうだ。個人的には、硬膜外を併用しない 2-3 時間以上の術後疼痛が強そうな手術では、ブプレノルフィンとデカドロン 4mg、少量のドロペリドールを手術の最初に併用投与している。レミフェンタニルの術中維持投与量もかなり減らせて、フェンタニルのように投与タイミングに気を配る必要もないので気に入っている。

<関連記事>

1.術後痛へのデキサメタゾンの周術期単回全身投与:無作為対照試験のメタ分析

2.硬膜外デキサメタゾン vs フェンタニルが術後鎮痛に与える効果

3.マルチモダーダル鎮痛の腹腔鏡下胆嚢摘出術後のデキサメタゾンの術前 vs 術中投与の鎮痛効果

4.術後痛に及ぼすデキサメタゾンの硬膜外投与の効果;根治的胃亜全摘での無作為対照研究

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック