Mallampati 分類はほとんど意味がない(私見)

 直前の記事で、「Airway Score 計算機」などというものを作成して紹介しておきながら、こんなことを言うのは、ちょっと矛盾しているのかもしれないが・・・・・、ま、あくまで私見ということでご容赦願いたい。

 オリジナルの Mallampati 分類は 3 分類で、Mallampati らによって 1985 年に報告されたが、2 年後に Samsoon らが 4 分類に修正して報告しており、現在「Mallampati 分類」と言えば、後者の「修正 Mallampati 分類」とも呼ぶべきものを指している。
Mallampati SR et al. A clinical sign to predict difficult tracheal intubation: a prospective study. .
Can Anaesth Soc J. 1985 Jul;32(4):429-34. .
Samsoon GL et al. Difficult tracheal intubation: a retrospective study.
Anaesthesia. 1987 May;42(5):487-90.
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 Mallampati 分類は、長年にわたって、気道評価の標準的な方法として教科書に記載されてきたものであるが、個人的には、ほとんど無意味であると思っている。

 対面した人から「ちょっと大きく口を開けてみてください。」と言われたときに、口で息をしながら大きく開口する人がどれだけいるだろうか。対面した人に自分の口臭を吹きかけるような真似はしたくないのが普通の人間ではないだろうか。

 鏡を見ながら、大きく開口してみてください。そして、鼻だけで呼吸をしてみて下さい。

 あなたの Mallampati 分類は、Class いくらですか?

 そうなんです。鼻で息をしようとすると、舌根部を押し上げて、軟口蓋(口蓋垂の付いている部分)を下方に位置させて、咽頭後壁が見えないようにして気道(空気の通り道)と口腔を隔絶することで、鼻呼吸が可能になる。舌と突き出したとしても、舌根部を押し上げることで、鼻呼吸が可能になる。そして、このときは、当然のことながら咽頭後壁は見えない。

 私は、鏡を見ながら普通に大きく開口すると、Mallampati 分類Ⅲ~Ⅳである(おそらく反射的に鼻呼吸となる)が、舌を突き出したり、あえて口呼吸をしようとするとⅡとなり、さらに嘔吐するような「えづき」の状態では、完全に口蓋垂と舌根部は離れて 2 cm 以上の間隙ができて咽頭後壁が明瞭に見える Class Ⅰの状態になる。

 この「えずき」状態のときは、吐物が鼻腔内に侵入せずに口腔内だけに吐出されるように舌根部が下方に移動し、他方口蓋垂を含む軟口蓋が上方に移動して、鼻気道を隔絶するのであろう。

 同じ開口状態で舌を突き出しても、意識的に鼻呼吸するか、口呼吸するか、「えづき」の状態にするかで、Class Ⅰ~Ⅳのすべてを再現することができる。

 患者さんは、対面した麻酔科医が何を見たいと思っているのか知る由もない。したがって、患者さんが、鼻呼吸するか、口呼吸するか、「えづき」状態かは、患者の自由なのだ。

 ところが、発声を促すと、自然と口呼吸になり、軟口蓋が上方に移動して咽頭後壁が見えるようになる。したがって、Mallampati 分類をきちんと評価するためには、前方に呈舌させながら発声を促して評価しなくてはいけないのであろうと考えている。

 一般に Mallampati 分類は、このような細かな規定なく評価されているのので、結局のところ、Mallampati 分類は開口度を部分的に、間接的に見ているに過ぎない分類だと思っている。

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