全人工膝関節置換術を受ける高齢患者で、タニケット除圧が血行動態と局所脳酸素飽和度に及ぼす効果

The effect of tourniquet deflation on hemodynamics and regional cerebral oxygen saturation in aged patients undergoing total knee replacement surgery
Korean J Anesthesiol. 2012 Nov;63(5):425-430.

・全人工膝関節置換術で使用されるエア・タニケットの加圧と除圧は、特に患者の循環動態や代謝状態のいろいろな変化を誘発し、それは結果的に重症合併症をきたす可能性がある。近赤外分光学(NIRS)は、局所脳酸素飽和度を推定するようデザインされたモニタリング装置である。NIRS を用いて全人工膝関節置換術を受ける高齢患者で、タニケットの除圧が血行動態と局所脳酸素飽和度に及ぼす効果を評価した。

・全人工膝関節置換術を受ける 65 歳以上で ASA-PSⅠ・Ⅱの患者 28 人が対象となった。全身麻酔下に、平均動脈圧(MAP)、心拍数(HR)、心拍出量(CO)、1 回拍出量(SV)、局所脳酸素飽和度(rSO2)を麻酔導入前と、タニケットの除圧後 20 分間 2 分ごとに記録した。動脈血ガス分析を、5 分前と、タニケット除圧 0、10 分に実施した。

・除圧後 20 分間は rSO2 の減少は、有意ではなかった。MAP、CO、SV は、タニケット除圧後、それぞれ 2~12、4~6、2~6分間に有意な減少を示した(p<0 0.05)。MAP の最大減少幅と rSO2 との間には何ら関係がなかった。

・全身麻酔下に人工膝関節置換術を受ける高齢患者で、タニケットの除圧によって、循環動態と代謝状態には有意な変化が引き起こされたが、局所脳酸素飽和度には起きなかった。特に高齢患者では、深刻な合併症を避けるために、循環動態や代謝動態のみならず、神経学的状態をモニターすることが推奨される。

[!]:タニケットの除圧後は、血圧は低下するが、同時に虚血組織から二酸化炭素が放出されて一過性に高炭酸ガス血症になるため脳血管は拡張して、血圧低下の影響が相殺されるのかもしれない。

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