乳癌手術中の創部と肋間腔へのロビバカイン浸潤の二重盲式無作為試験;術後慢性疼痛への影響

A Double-blind Randomized Trial of Wound and Intercostal Space Infiltration with Ropivacaine during Breast Cancer Surgery: Effects on Chronic Postoperative Pain
Anesthesiology: February 2013 - Volume 118 - Issue 2 - p 318-326

・急性および慢性術後疼痛の治療として局所麻酔薬の創部浸潤の有効性は論争の的であり、これまでに詳細な研究がない。本研究の主な目的は、ロピバカインの創部浸潤が乳房手術後の慢性疼痛に及ぼす影響を評価することであった。

・本前向き無作為化二重盲式平行群偽薬対照研究において、乳癌手術予定の患者 236 人を無作為化(1:1)して、ロピバカインか、偽薬を、創部、第 2 、3 肋間腔、大胸筋の上腕骨付着部へ浸潤した。急性疼痛、鎮痛剤使用量、嘔気嘔吐を、PACU で 30 分おきに 2 時間、6 時間おきに48 時間にわたって評価した。慢性疼痛は、簡潔な疼痛一覧表、病院の不安と抑うつ、神経障害性疼痛アンケートによって術後 3 ヵ月、6 ヵ月、1 年に評価した。

・ロピバカイン創部浸潤は、最初の 90 分間の術直後の疼痛を有意に軽減したが、術後 3 ヵ月(一次エンドポイント)、6 ヵ月や12ヵ月時点での慢性疼痛を減少させなかった。3 ヵ月後の時点で、慢性疼痛の発生率は、ロピバカイン群と偽薬群でそれぞれ、33% と 27%(P=0.37)であった。経過追跡期間中、いずれの群でも、抑うつは安定していたが、簡潔な疼痛一覧表、神経障害性疼痛と不安は時間とともに増加した(P<0.001)。合併症は何も発生しなかった。

・本多施設前向き調査は、乳癌手術後のロピバカイン創部浸潤は術直後の疼痛を減少させたが、術後 3、6、12 ヵ月の時点での慢性疼痛を減少させなかったことを示している。

[!]:創部浸潤の効果は短時間的なので、慢性疼痛の発生にまでは影響しないということだな。術後の数日間の短期的疼痛管理の良否の方が慢性疼痛発生に影響するんじゃないのかな。

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