高齢者の海馬容積減少は、術後認知機能障害の危険性がある

Hippocampal volume reduction in elderly patients at risk for postoperative cognitive dysfunction
Journal of Anesthesia published online 31 January 2013

・術後認知機能障害(POCD)は恐るべき公衆衛生上の問題であり、高齢患者の生活の質に影響を及ぼすだけでなく、また肺感染症と死亡率の増加の原因ともなる。その一方で、POCD を予測するのに効果的な指標は欠如している。大脳辺縁系の極めて重要な一部分として、海馬は認知機能と関係している。海馬の萎縮は、認知機能の変化の程度を示しうる。

・開腹による消化管手術を受ける年齢 65 歳以上の 41 人の ASA-Ⅰ・Ⅱの患者(23 人は男性、18 人は女性)が本研究に登録された。手術前に MRI を実施して海馬体の容積を測定し、その結果を個々の頭蓋内容積によって標準化した。全患者は、ウェクスラー成人記憶スケールとウェクスラー成人知能スケールでの感受性検査、トレイルメイキングテスト、溝つきペグボード検査を含む一連の神経心理学的検査を受けた。著者らは、ISPOCD によって推奨されている Z スコアを使用して POCD を特定した。次に全患者は、神経心理学的検査の結果によって、POCD 群と非 POCD 群に分けられた。検査結果は、MRI で測定された海馬体容積と関連づけられた。 MRI による海馬容積測定の POCD 予測上の価値が分析された。年齢、麻酔持続時間、教育、海馬容積といった可能性のある因子を使用して、統合 Z スコアの多変量線形相関分析が実施された。

・36 人の患者は、術後に一連の神経心理学的検査を全て完了した。36 人の患者のうち 13 人が、術後第 4 日目に POCD(36%)を呈していることが分かった。海馬容積は、非 POCD 群(5.06±0.31)よりも POCD 群(4.75±0.23)で有意に少なかった。海馬容積は Z スコアに大きな影響を有しており、Z スコアと負の相関があった。

・MRI による海馬容積の測定は、高齢者の POCD の予測因子として価値があることが示唆される。

[!]:う~ん、だからといって高齢者を術前にルーチンに頭部の MRI を撮るわけにはいかないし・・・。

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