無作為試験での麻酔深度モニタリングは術後せん妄の頻度を低下させるが術後認知機能障害は減らさない

Monitoring depth of anaesthesia in a randomized trial decreases the rate of postoperative delirium but not postoperative cognitive dysfunction
Br. J. Anaesth. (2013) doi: 10.1093/bja/aet055 First published online: March 28, 2013

・高齢患者の術後せん妄は、よくある合併症で、予後不良と関係している。平行群研究の目的は、麻酔深度モニタリングが術後せん妄の発生率に影響するかどうか調査することであった。

・2009 年 3 月~ 2010 年 5 月に、少なくとも 60 分以上かかると予想される全身麻酔下手術を受ける予定の患者で、年齢 60 歳以上の患者を対象とした。合計 1277 人の一連の患者は無作為化(n=638 非盲式、n=639 は盲式)され、1155 人の患者のデータが分析された(n=575 は非盲式、n=580 は盲式)。ある群では、麻酔科医は麻酔の指針として BIS データを使用することが許されたが、他群では、BIS モニターを見ることができなかった。認知機能は、術前、術後 1 週間、3 ヵ月後に評価された。

・せん妄発生率は、BIS を指針とした患者群で低かった。術後せん妄は、対照群で、124 人の患者(21.4%)であったのに比較して、処置群では、95 人の患者(16.7%)に認められた(P=0.036)。多変量解析では、深麻酔(BIS 値<20)のエピソードの割合が、術後せん妄の独立した予測因子となった(P=0.006; オッズ比 1.027)。BIS モニタリングは、術後認知機能障害の発生率には影響しなかった(第 7 病日 P=0.062; 第 90 病日 P=0.372)。

・術中の神経モニタリングは、せん妄の発生頻度低下と関係しており、それはおそらく 極端に低い BIS 値を減少させることによるものである。したがって、この知見は、リスクの高い手術患者では、麻酔科医にせん妄の複雑な成因における増悪因子の1つに影響する可能性を与えるかもしれない。

[!]:極端に低い BIS = 深麻酔は、遅発性に脳深部に作用して、意識形成の基盤となるような部分に影響を与えて、せん妄を発生する要因となる可能性がある、ってことかな。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック