麻酔科医監視システム!?

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 昨今の手術室では、手術室の受け付けや麻酔科医控室、看護スタッフの詰所、はたまた更衣室や休憩室などで、各部屋の挙動が分かるように、手術室各部屋の天井に設置したカメラからの画像を送出して、1台のディスプレイ画面に複数の部屋の状況が映し出されるのは当たり前かもしれない。しかし、当院の手術室はすでに築後 30 年も経過しようかという古いものであり、当然のことながらそのような監視システムは存在しない。

 現在あるのは、電子麻酔記録用ソフトウェアとして導入した「paperChart」が有しているセントラルとして機能する「BrowseManager」というプログラムを利用した、現在進行中の麻酔記録を 1 画面に集約して表示できるものだ。
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 しかし、何とかして近代的な手術室風に各部屋の状況が映像として分かるようなシステムが安価に構築できないかと考えていた。

 最近は、有線LAN、無線LAN にも対応した、パン・チルト(パンは左右振り、チルトは上下ふり)可能な IP カメラが安価に売られている。たとえば、これ。これを各部屋の天井に設置すれば可能だろう。しかし、それぞれの IP カメラには当然のことながら電源が必要であるし、これを各部屋の天井に設置するとなると、「電源はどころから得ようか?」、「LAN ケーブルはどうしようか?」、「LAN ケーブルを天井内に這わせることができないとしたら、その代わりとして無線 LAN がちゃんと機能するだろうか?」とか、いろいろなハードルがある。

 いずれにしても、かなりの大仕事であり、1 麻酔科医がやるべきことでも、また、できることでもなさそうだ。

 そこで、すでに設置してある電子麻酔記録用のノート PC を利用してみることにした。この PC には、Webカメラが内蔵されている。このカメラを利用して、部屋(担当麻酔科医)の画像を送出して、それを 1台の PC 画面で集約して見ることができれば・・・。

 実は、以前にもこれに類したことを試みたことがあった。それは、各部屋の PC で一定時間ごとにカメラでキャプチャを行い、その静止画像をサーバーに送って、その画像を各端末からブラウザで閲覧するという方法だ。しかし、数秒毎に1コマの静止画では満足できる代物ではなかった。

 今回は、「動画にできないか!?」を試してみた。きっかけは、以下の記事である。

ウェブカメラを簡単にストリーミング可能なIPカメラにするフリーソフト「Gmax IP Camera」

 この記事によれば、動画のストリーミング送出側で、「IP Camera」というフリーソフトを起動して、受信側では Google のブラウザ「Google Chrome」を使用すればストリーミングが閲覧できるとのことだ。

 そこで、早速、各部屋の電子麻酔記録用の PC にこの「IP Camera」を起動できるようにし、麻酔科医控室のセントラルもどきに、「Google Chrome」をインストールした。さらに、各部屋からストリーミング受診した動画を1画面内に表示できるように、HTML ファイルを編集した。そして、できたのが以下の画面である。
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 実際のライブ配信中はこんな感じだ。
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 一応、当初目的とした各部屋の動画を1画面内で閲覧可能なものが完成した。通常複数の地点の動画を 1 画面内で集約して閲覧できるようにするには、それなりのアプリケーションが必要なようだが、GoogleChrome と、ちょっとした HTML ファイルの編集ができれば、特別なアプリケーションは特に必要ない。

 フリーソフトと、HTML ファイルを編集するという工夫のお蔭で、ハードウェアトとソフツウェアの今回の投資費用は「0円」であった。

・ハードウェア:各部屋の電子麻酔記録用 PC 内臓の Web カメラ、麻酔科医控室のセントラルもどき

・ソフトウェア:「IP Camera」と「Google Chrome」、そして閲覧用 HTML ファイル

各部屋の電子麻酔記録 PC の Windows のスタートアップに「IP Camera」を登録すれば、自動起動は可能だが、[Start]ボタンをクリックしないと、ストリーミング送出開始にならないので、残念ながらどこまで実用的に利用可能かは担当麻酔科医次第ということになる。

 セントラルもどき側では、GoogleChrome をやはりスタートアップに登録して、起動ページを、ストリーミング閲覧用の HTML ファイルに指定すればよい。

 今回の収穫は、「IP Camera」と「Google Chrome」を使用すれば LAN 内で Web カメラの動画ストリーミング配信と受信が可能であること、HTML ファイルをちょこちょこっといじれば、自分の好みのレイアウトで複数の動画を 1 画面内に表示できることが分かった点だ。

 ちなみに今回使用した HTML ファイルは以下である。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~knight1112jp/blog_download/operooms.html
(上記リンクを右クリック→対象をファイルに保存)

 HTML ソース内に記述してある IP アドレスと部屋名、テーブル・タグを編集すれば、多くの手術室でも流用できるだろう。

<追記> 2013/06/10
・InternetExplorer では、SunMicrosystems の JavaVM が必要なのか? うまくストリーミングが表示されない。
・FireFox ではうまく表示された。
・LiveCapture2 というフリーソフトを使用すれば、[Start]ボタンをクリックしなくても自動起動でストリーミング配信を開始できるようだ。

ということで、 LiveCapture2 と FireFox の組み合わせが使いやすいのかもしれない。

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