腹部手術に際しての硬膜外鎮痛は、慢性術後痛の発生率を減少させる

Reduced Incidence of Chronic Postsurgical Pain after Epidural Analgesia for Abdominal Surgery
Pain Practice first published online: 12 JUN 2013

・慢性的な術後痛(CPSP)は、生活の質に大きな影響を及ぼす手術のよくある合併症である。増強した長引く侵害受容体への入力に起因する末梢及び中枢性感作は、CPSP 発症の重要なメカニズムと考えられる。この症例対照研究では、硬膜外鎮痛が開腹手術後 CPSP の発生率減少と関係しているかどうか調査した。

・手術 6 ヵ月後に、Short-Form-36 Health Survey(SF-36)ペインスコア、慢性疼痛の考え得る予測因子、生活の質を評価した。全身麻酔に硬膜外鎮痛を併用して治療された患者(硬膜外群、N = 51)は、全身麻酔だけで相応する術式を受ける患者(全麻群、N = 50)と比較された。多変量解析は、ロジスティック回帰分析によって実施された。

・26 人(25.7%)患者が、慢性疼痛を患い、硬膜外群では 9 人(17.6%)、全麻群では 17 人(34%)で、粗オッズ比(OR)は、0.42(95%信頼区間(CI)0.16~1.05)であった。年齢、性別、術前の疼痛、術後急性期疼痛といった、もっとも明らかな CPSP の予測因子で調整後、硬膜外群の慢性疼痛をきたす OR は、0.19(95%CI 0.05~0.76)であった。CPSP 患者は、CPSP のない患者と比較して有意に生活の質を低く(SF-36合計スコアの中央値(IQR) 39.2(27.2~56.7)vs 84.3(69.9~92.5、p<0.001)、長期的な全体的回復感の程度を低く(70.0%(50.0~80.0) vs 90.0%(80.0~100.0)、p<0.001)報告した。

・慢性的な術後痛は、開腹手術の 6 ヵ月後に患者の相当数で発生する。術後硬膜外鎮痛は、腹部手術後 CPSP 発生率減少と関係している。

[!]:全麻群でどれほど積極的な術後疼痛管理が行われたか不明だが、硬膜外鎮痛は、急性期疼痛だけでなく、慢性期疼痛をも有意に減少させる、という結果だ。今更という感がないわけではないが、私は硬膜外信奉者なので、本研究結果は大いに称賛したい。 「アルチバでいいんじゃない?」は良くない。

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