ST 上昇型心筋梗塞患者で、糖尿病の有無と入院時血糖値の予後予測能

Prognostic value of admission blood glucose level in patients with and without diabetes mellitus who sustain ST segment elevation myocardial infarction complicated by cardiogenic shock
Critical Care 2013, 17:R218 doi:10.1186/cc13035 Published: 3 October 2013

・入院時血糖(BG)濃度は、ST 上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の死亡率の予測因子である。しかし、心原性ショックを合併した STEMI 患者で入院時 BG を死亡率と関連づけられ利用できるデータは限られており、糖尿病の状態がこの関係に独立した影響を及ぼすかどうかはわかっていない。

・2005 年 11 月~ 2010 年 9 月に、STEMI 心原性ショック患者 816 人は、全国前向き多施設レジストリに登録された; 239 人(29.3%)は、糖尿病(DM)に罹患していた。患者は、入院時 BG 値によって分類された: <7.8、7.8~10.9、11.0~16.5、≧ 16.6mmol/L。主要転帰は、30 日死亡率であった。 Thrombolysis In Myocardial Infarction(TIMI)と Global Registry of Acute Coronary Events(GRACE)スコアへの BG の付加価値は、ROC曲線と統合化識別改善分析法をによって評価された。

・30 日死亡率は、入院時 BG(20.4%、23.3%、39.8%、43.1% 、p<0.001)の高い患者群の方が高かった。糖尿病に罹患していない患者では、30 日死亡率は、c-統計値 0.615(95%信頼区間[CI]、0.561~0.662)による TIMI スコアと、c-統計値 0.652(95%CI、0.604~0.695)による GRACE スコアによって予測された。入院時 BG の組み込みによって、TIMI スコアの c-統計値は、0.685(95%CI、0.639~0.720、p<0.001)まで、GRACE スコアは、0.708(95%CI、0.664~0.742、p<0.001)まで増加した。糖尿病がある場合、BG の追加的予測能は、観察されなかった。糖尿病に罹患していない患者では、統合化惜別改善度(TIMI vs BG 付加と GRACE vs BG 付加)は、0.041(p<0.001)と 0.039(p<0.001)であった。

・心原性ショックを合併した STEMI 患者集団では、入院時 BG は、DM のない患者群でのみ、死亡リスク増加の独立予測因子であった。

[!]:糖尿病のない患者では、心原性ショックが重症であるほど交感神経の緊張が強く、その結果として、入院時血糖値の上昇が著しいということだろう。糖尿病のある患者ではこの関係はあてにはならない。また、血糖値の上昇は、引き続く最終目的となる ATP 産生過程で起こる乳酸値の上昇がより重症度を反映することになるであろうから、発症からの時間と血糖値、そして乳酸値を組み合わせれば、よりその重症度の stratification はスマートなものになるんだろうね。

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