【投】 敗血症性ショック患者の血行動態と臨床転帰に及ぼすエスモロールによる心拍数コントロールの影響

Effect of Heart Rate Control With Esmolol on Hemodynamic and Clinical Outcomes in Patients With Septic Shock A Randomized Clinical Trial
JAMA. Published online October 09, 2013. doi:10.1001/jama.2013.278477
Morelli A, et al.

【重要性】
 β遮断薬による治療は敗血症性ショック患者で心拍数をコントロールし,βアドレナリン受容体刺激の有害効果を弱めるかもしれない.しかし,β遮断薬はこうした状況では伝統的に使用されておらず,その陰性変力作用と降圧作用により心血管系の代償不全を悪化させるかもしれない.

【目的】
 短時間作用性β遮断薬であるエスモロールの重度敗血症性ショック患者への効果を調査する.
【デザイン,方法,対象】
・オープンラベル無作為化第2相研究
・大学病院の ICU で2010年11月から2012年7月に施行
・対象は敗血症性ショックで心拍数が95/min以上で,平均動脈圧を65 mmHg 以上に保つために高用量のノルエピネフリンを要する患者

【介入】
 77名の患者を ICU 滞在中心拍数80-94/min に保つようにエスモロール持続静注を受ける群に,他の77名を通常治療群に無作為に割り当てた
【主要アウトカムと測定】
 1次アウトカムはエスモロールによって心拍数を80-94/min に96時間減少させること.2次アウトカムは血行動態,臓器機能検査値,24, 48, 72, 96時間後のノルエピネフリン量,無作為化28日後の有害事象と死亡率.

【結果】
・目標心拍数はエスモロール群の全員で達成された
・始めの96時間の心拍数の AUC 中央値はエスモロール群,通常治療群でそれぞれ -28/min (IQR, -37 to -21), -6/min (95% CI, -14 to 0), 平均減少数 18/min ( P<0.001).
・一回拍出量係数の AUC 中央値は,エスモロール群,通常治療群でそれぞれ 4mL/m2 (IQR, -1 to 10), 1 mL/m2 (IQR, -3 to 5; P=0.02)
・左室仕事量係数の AUC 中央値は,エスモロール群,通常治療群でそれぞれ 3 mL/m2 (IQR, 0 to 8), 1mL/m2 (IQR, -2 to 5: P=0.03)
・動脈血乳酸値の AUC 中央値は,エスモロール群,通常治療群でそれぞれ -0.1/mmol/L (IQR, -0.6 to 2), 0.1 mmol/L (IQR, -0.3 to 0.6; P=0.007)
・ノルエピネフリン量の AUC 中央値は,エスモロール群,通常治療群でそれぞれ -0.11μg/kg/min (IQR, -0.46 to 0.2), -0.01μg/kg/min (IQR, -0.2 to 0.44; P=0.003)
・輸液必要量の AUC 中央値は,エスモロール群,通常治療群でそれぞれ 3975 mL/24h (IQR, 3663 to 4200), 4425 mL/24h (IQR, 4038 to 4775; P<0.001)
・その他の心肺関連変数,レスキュー治療の必要に両群間の差は無かった.
・28日目後の死亡率はエスモロール群,通常治療群でそれぞれ 49.4%, 80.5% (調整 hazard ratio, 0.39; 95% CI, 0.26 to 0.59; P<0.001)

【結語と妥当性】
 敗血症性ショック患者において,オープンラベル使用のエスモロール使用と有害事象の増加なしでの心拍数減少が関連した.
 死亡率の改善と他の2次アウトカムはさらなる調査の必要性を保障する.

[抄訳者註]:小規模研究ですが,エスモロール使用で心拍数をコントロールすることで,有害事象を生じることなく大幅な生存率の向上が報告されています.

投稿者名:TEE Fan さん


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