ラリンジアルマスクによる全身麻酔からの覚醒に際しての、最近覚えた小技 パート2

 思わず、短時間にアクセスがあったので、その後の考察についてだ。

 おそらく、私たち麻酔科医の多くは、最初に気管挿管を基本手技として習得するのではないだろうか? その過程で、気管チューブのカフは、抜管直前までそのままにして置かなくてはならない(さもないと、カフ上部の咽頭及び喉頭内に貯留した口腔内分泌物がが気管内に垂れこんで、咳反射を誘発してしまいかねないから・・・)という基本原則を習得するのではないだろうか。

 その類推から、ラリンジアルマスクの場合も同様に、抜管直前までカフのエアを抜いてはいけないという「暗黙の了解」というか、「盲信」にとらわれてしまっていたのではないかと思う。

 気管挿管に対して、ラリンジアルマスクの適応となる時間にはある程度の(各人によるとも思うが、)上限時間があり、またラリンジアルマスクが口腔内に占める表面積からして、気管に垂れこむ口腔内分泌物の量は気管挿管の場合に比べて圧倒的に少なく、ラリンジアルマスクの表面に付着することで吸引を行うほどの量にはならないのではないかと考えられる。

 ならば、「ラリンジアルマスクの抜管よりも相当早くにカフ・エアを抜いてしまっても、口腔内分泌物の量は、さほど多くはなく、またラリンジアルマスクの広い表面積にまとわりつくことで気管内に垂れこむことはないのではないだろうか。」というのが、今回の「ラリンジアルマスクによる全身麻酔からの覚醒に際しての、最近覚えた小技」の理論的背景である。

 少なくとも 2 時間以内のラリンジアルマスク自発呼吸温存フェンタニル間欠投与麻酔で、抜管時に口腔内吸引が必要になった経験はほとんどない。

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  • Q:穏やかな覚醒を得るためには?

    Excerpt: 麻酔が深い間は、いろいろな身体上の不快感が中枢に伝達されないので、種々の有害反応が出現しなくて済んでいる。ところが、麻酔薬を切って、麻酔深度が浅くなってくると、身体上の不快感が次第に中枢に伝達されるよ.. Weblog: 麻酔科勤務医のお勉強日記 racked: 2016-01-06 13:23
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