最小 PEEP での術中低一回換気量は死亡率の増加と関係している

Low intraoperative tidal volume ventilation with minimal PEEP is associated with increased mortality
Br. J. Anaesth. (2014) doi: 10.1093/bja/aeu054 First published online: March 12, 2014 Levin MA, et al.

・麻酔科医は伝統的に患者の肺を、PEEP を使用することなく一回換気量(TV)を 10~15mL/kg 理想体重(IBW)で換気する。過去 10 年間、急性呼吸窮迫症候群ネットワーク試験の結果に影響を受け、多くの麻酔科医は術中に低 TV を使用し始めている。低 TV 換気の利点は周術期にも生かされるのかどうかは不明である。

・著者らは、2008 年 1 月 1 日~ 2011 年 12 月 31 日に人工呼吸を伴う全身麻酔を受けた 29 343 人の患者の記録を検討した。著者らは、TV kg/IBW、PEEP、最大吸気圧(PIP)、動的コンプライアンスを計算した。傾向スコアマッチングによる Cox 回帰分析を実施して、TV と 30 日死亡率と関連性を調べた。

・TV の中央値は 8.6 [7.7-9.6]mL/kg で最小 PEEP [4.0(2.2-5.0) cm H2O であった??。研究機関中に TV は 2008 年の 9 mL/kg から 2011 年の 8.3 ml/kg IBW へと有意な減少が発生した(P=0.01)。低TV 6~8mL/kg IBW は、TV 8~10 ml/kg IBW に対して、30 日死亡率の有意な増加と関連していた;ハザード比(HR) 1.6[95 %信頼区間(CI)[1.25-2.08〕、P=0.0002]。マッチング後も依然として関連性が有意であった: HR 1.63[95%信頼区間(1.22-2.18)、p<0.001]。TV ml/kg IBW と動的コンプライアンスの間には、弱い相関しかなく(r=-0.006、P=0.31)、TV ml/kg IBW と PIP の間には、弱い~中程度の相関が見られた(r=0.32、P<0.0001)。

・術中の最小 PEEP での低 TV の使用は、30 日死亡率のリスク増加と関連している。

[!]:最近の論文では、術中も肺保護換気戦略が、術後肺合併症の減少と関連しているという結果が多かったはずだが・・・。いったいどうなってんだよ!? 積極的に低 TV とした患者は、肺の状態が良好でなかったから、結果的に死亡率が高くなったのか。

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