Q:内頚静脈を穿刺しやすいようにするにはどうするか?

A:内頚静脈は、通常は総頸動脈の外側に存在する。内頚静脈は、総頸動脈に比べて圧倒的に太い。したがって、総頸動脈を触れて、総頸動脈を穿刺しないようにしつつ、その外側を穿刺すれば、容易に内頚静脈を穿刺することができる。

最近はエコーガイド下の穿刺が流行っているようだが、専用の穿刺キットがないと穿刺できないようでは困るし、いつもいつもエコーガイド下の穿刺をやっていたんじゃ、時間と医療材料の無駄遣いだと思っている。

私が、内頚静脈を穿刺する場合に、解剖学的指標としているのは、以下の 4 点である。

(1)胸骨上窩
(2)甲状軟骨
(3)総頸動脈
(4)胸鎖乳突筋


通常は、まず(1)胸骨上窩を左手の小指で確認しながら、左手の示指と中指で(2)甲状軟骨を確認し、この 2 本の指を外側にずらして(3)総頚動脈の拍動を触知して、示指と中指の中間レベルで、(4)胸鎖乳突筋の裏側に針を進めるように穿刺する。必然的に、針先は同側の乳頭方向へと向かうはずである。

しかし、症例によっては、内頚静脈が総頚動脈と同じくらいの径しかない場合もあれば、総頚動脈のすぐ外側にはなくて少し離れて存在する場合もある。また、逆にある程度重なって存在する場合もある。

手直に超音波エコー装置があれば、穿刺前に、頚部にエコープローベを当てて、総頸動脈と内頚静脈の位置関係や、太さ、個体差を把握しておくことで穿刺がしやすくなる。

PEEP を付加することによって、穿刺ターゲットである内頚静脈を太くしておいて穿刺しやすくすることができる。同じ原理だが、頭低位にして循環血液を相対的に頭側に移動させることで、内頚静脈を太くしておくこともできる。

● 内頚静脈穿刺を容易にする方策
(1)エコーによる総頚動脈との位置関係の確認
(2)頭低位(トレンデレンブルグ体位)
(3)PEEP 付加(5~10cmH2O)

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