麻酔科勤務医のお勉強日記

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zoom RSS Q:術中に頻用される昇圧剤・降圧剤の作用ベクトルとは?

<<   作成日時 : 2014/04/29 13:03   >>

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手術中の麻酔管理を行なう上で、麻酔薬に次いで頻用される薬物は、循環作動薬である。適切な麻酔深度を維持しているつもりでも、急に強い侵襲が加わると、交感神経系の緊張を介して、高血圧と頻脈が惹起される。また、それに伴って、不整脈が出現することもある。

また、麻酔薬自体が血管拡張作用や心臓抑制作用を持つ場合も多く、同時に鎮痛作用や鎮静作用によって自律神経系の緊張度に影響を与え、血圧低下や徐脈を惹起する。

当院で手術中に頻用される循環作動性の薬物は、以下のようなものがある。

1.エフェドリン(40mg=1mL/A)
2.フェニレフリン[ネオシネジン](1mg=1mL/A)
3.ジルチアゼム[ヘルベッサー](10mg/V)
4.ニカルジピン[ペルジピン](2mg=2mL/A)
5.アトロピン(0.5mg=1mL/A)
6.ベラパミル[ワソラン](5mg=1mL/A)
7.エスモロール[ブレビブロック](100mg=10mL/A)
※ []内はよく臨床で呼ばれる商品名


1〜5 の薬物は、通常の全身麻酔セット薬品に含まれている。
6・7 の薬物は、中央カートに保管してあるので、必要時は中央カートに取りに行く必要がある。

これら薬物の使用目的は、血圧と心拍数をコントロールして、正常域に維持することである。
以下の図は、これら薬物の血圧と心拍数に及ぼす作用を、縦軸に血圧、横軸に心拍数を取った平面座標上に、ベクトルで表示したものである。
画像

・エフェドリンは、血圧上昇作用と頻脈化作用をバランスよく有しており、比較的作用時間が長い。
・フェニレフリンは、エフェドリンよりも強力な昇圧作用を有しており、反射性に徐脈化作用を伴う。
・ジルチアゼムは、血圧低下作用と軽度の徐脈化作用を有する。
・ニカルジピンは、ジルチアゼムよりも強力な降圧作用を有しており、反射性に頻脈化作用を伴う。
・アトロピンは、頻脈化作用を有し、徐脈に対して使用した場合は、結果的にやや血圧も上昇することが多い。
・ベラパミルは、徐脈化作用を有するが、心血管抑制作用によってやや血圧も低下する。
・エスモロールは、ベラパミルよりも強力な徐脈化作用を有しており、同様に血圧も低下することが多い。

このような各薬剤の血圧と心拍数に及ぼす作用を知った上で、現在の患者さんの血圧と心拍数をどの方向に動かしたいかによって、選択薬剤は必然的に決まってくる。

しかし、循環作動薬を使用する前に、鎮静度や鎮痛度が適切であるかどうか、循環血液量に過不足がないかを十分に評価して、麻酔深度や循環血液量を調節する試みを行ないつつ、循環作動薬は、異常なバイタルサインを早期に正常域に戻すために一時的に使用するのが基本である。

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