麻酔法と血管手術後の術後せん妄

Type of Anesthesia and Postoperative Delirium After Vascular Surgery
Journal of Cardiothoracic and Vascular Anesthesia published online 28 March 2014. Ellard L, et al.

・本研究の目的は、術後せん妄の発症に関して、全身(GA)、区域(RA)、局所(LA)麻酔法の関係を調査することであった。著者らは、血管手術に際して GA を実施された患者は、術後せん妄の発生率が高いという仮説を立てた。血管手術患者の術後せん妄に関する LA の役割はこれまで報告されていない。

・大学病院の三次紹介施設での、血管外科手術を受けた 500 人の患者を対象とした後ろ向きレビューである。選択された麻酔法に基づき、全患者をそれぞれ、GA、RA、LA 群 に分けた。除外基準は、術前の認知症や意識レベルの異常な患者、開腹動脈瘤修復手術を受けた患者、頸動脈内膜剥離術を受けた患者であった。全ての麻酔法は施設の日常的慣行に従って実施された。RA と LA 群の患者はいずれも、静脈内鎮静を施された。

・396 人(79 %)の患者が GA、73(15%)が RA、31(6%) が LA を受けた。せん妄の総発生率は 19.4% であり、GA 群で 73(18.4%)、RA 群で 17(23.2%)、LA 群で 7(22.5%) と、3 群間で同様であった(P=0.56)。LA 群の患者は、緊急手術である可能性が高く、脳血管障害や一過性脳虚血発作の既往の頻度が高かった。3 群間で、せん妄の発症や期間のいずれに関しても有意差は認められなかった。入院期間の中央値と院内死亡率は 3 群間で同様であった。

・血管術後のせん妄の発生率は、局所、区域。全身全身麻酔法で同様であった。術後せん妄発症の危険因子の存在によって、提供する麻酔の種類を変える必要はない。

[!]:全身麻酔の方が中枢神経系に与える影響が大きいから、当然せん妄も多いだろうと思ったが、意外な結果だ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック