Q:SpO2 と SaO2 の違いは? %O2Hb とは?

A: SaO2 は、純粋な呼吸生理学用語で、1 文字目は測定パラメータである飽和度(Satulation)を表す。2文字目は下付きにして測定部位である動脈(artery)を表す。3 文字目は測定するガスの種類である酸素(O2)を表す。

したがって、SaO2 は、「動脈血酸素飽和度」ということになる。この数値は、動脈血に含有されるヘモグロビン色素がどれくらい酸素で飽和されているかを示すものだが、厳密には、酸素結合可能なヘモグロビンに対する酸化ヘモグロビンの割合を指している。

SaO2=酸化ヘモグロビン÷(酸化ヘモグロビン+還元ヘモグロビン)

大部分のヘモグロビンは酸素と結合可能であるが、カルボキシヘモグロビン(COHb)とかメトヘモグロビン(MetHb)といった酸素との結合能を有しない機能異常ヘモグロビンが一部存在する。

このため、このような異常ヘモグロビンが多く存在する場合には、SaO2 では、本来の「動脈血に含有されるヘモグロビン色素がどれくらい酸素で飽和されているか」を示せなくなる。そのような場合には、 %O2Hb(異常ヘモグロビンも含めた総 Hb に対する酸化 Hb の比率)を使用すべきである。

%O2Hb=酸化ヘモグロビン÷総 Hb

通常、臨床で「SaO2」という場合には、動脈血を採血して、それを検査室の血液ガス分析装置が内蔵する CO・オキシメーターで測定した場合の酸素飽和度である。

これに対して、「SpO2」の 2 文字目の「p」は「pulse:脈波」あるいは「peripheral:末梢」を表し、パルスオキシメータで測定した酸素飽和度という意味である。

パルスオキシメータは、原理的に従来は 2 波長の光を使用して測定されており、ヘモグロビンには、上記のような機能異常ヘモグロビンは存在せず、全てのヘモグロビンが酸素と結合可能で、酸化 Hb 以外はすべて還元 Hb であるという前提で測定されている。

2 波長パルスオキシメータでは、カルボキシヘモグロビン(COHb)は、その吸光度が酸化ヘモグロビンに近いために、ほとんどが酸化ヘモグロビンとして測定されてしまう。人間が一酸化炭素中毒患者を診て、顔色が良くて安心してしまうのと同じ過ちを器械も犯してしまう。

一酸化炭素中毒の患者さんが救急部に搬入された場合に、パルスオキシメータの示す値が 90% 以上あるからといって安心してはいけない。もしも、COHb が 30% 存在すれば、本当に臨床的に重要な酸素飽和度は 70% 以下しかない。必ず血液ガス分析装置で、%COHb と %O2Hb を確認しなくてはならない。

最近は、多波長型パルスオキシメータも開発されており、COHb や MetHb も同時に測定可能となっている。

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