Q:麻酔導入に必要なプロポフォール用量と年齢の関係は?

A:プロポフォールに限らず、麻酔に使用する多くの薬剤、特に鎮痛剤や鎮静剤、局所麻酔剤、揮発性麻酔薬といった神経系に作用する薬物は、年齢に依存して少ない投与量で一定の効果を得ることができる。

プロポフォールの添付書には、「通常、成人には本剤 0.20~0.25mL/kg(プロポフォールとして 2.0~2.5mg/kg)で就眠が得られる。高齢者においては、より少量で就眠が得られる場合がある。」とだけしか記載されていない。高齢者とは、何歳以上を指しているのか? どういった匙加減をするべきなのかについては何ら記載がない。

揮発性麻酔薬の場合には、年齢依存性に MAC は低下するとされており、セボフルランでは、年齢が 10 歳上がると MAC が 7.2% 減少するとされる。

年齢がプロポフォールの薬物動態に及ぼす影響を検討した報告( The influence of age on propofol pharmacodynamics :Anesthesiology 90, 1502-1516, 1999.)では、「25、50、75 歳の意識消失をきたす効果部位濃度は、2,35、1,8、1.25 μg/ml と報告されている。これは、同様の表現をすると、年齢が 10 歳上がるとその濃度は 9.3% 減少するということになる。

そこで、年齢に応じた投与量を簡便に算出するオリジナルな方法を2つ伝授しよう。

(1) N 係数
鎮痛鎮静薬の投与量に影響する2つの大きな因子として、「体重」と「年齢」を考えた場合、体重が増えれば増えるほど投与量は増加させなければならない。逆に高齢になるにしたがって、投与量を減らなければならない。そこで体重を分子に、年齢を分母とした、「N 係数」なるものを考えた。

詳しくは以下の記事を参照してください。
麻酔科医の匙加減:N係数
年齢>40 歳くらいで適用可能と考えている。

(2) KNIGHT 式年齢補正係数
パーキロで計算した投与量に、「KNIGHT 式年齢補正係数」を掛けて算出する。
個人的経験からは、20~90 歳くらいまでは適用可能と思っている。

KNIGHT 式年齢補正係数=(150-年齢)÷100

・年齢=50 歳なら年齢補正係数=1 なので、パーキロで計算した投与量そのものとなる。
・年齢=75 歳なら年齢補正係数=0.75 なので、パーキロで計算した投与量×0.75 を投与量とする。
・年齢=25 歳なら年齢補正係数=1.25 なので、パーキロで計算した投与量×1.25 を投与量とする。

具体例)プロポフォールの基本投与量を 2.0mg/kg として、50kg の患者さんで考えてみると、
・年齢=50 歳なら 2.0×50=100 mg
・年齢=75 歳なら 2.0×50×0.75=75 mg
・年齢=25 歳なら 2.0×50×0.1.25=125 mg

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Q:プロポフォールの基本使用量は? それを増減する主な要因は?

プロポフォール麻酔中の EEG に及ぼす年齢の効果

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