帝王切開時の脊椎麻酔中の晶質液投与のタイミングが母体低血圧に及ぼす影響

Influence of the timing of administration of crystalloid on maternal hypotension during spinal anesthesia for cesarean delivery: preload versus coload
BMC Anesthesiology 2014, 14:36 doi:10.1186/1471-2253-14-36 Published: 16 May 2014 Oh AY, et al.

・帝王切開分娩時の母体の低血圧を防止するため、脊椎麻酔前に予防的に前もって輸液負荷しておくことがルーチンの手順とされてきた。膠質液とは異なり、晶質液は血管内腔に滞在する時間が短いために、注入のタイミングが重要である可能性がある。著者らは、前もっての負荷投与に比べて、くも膜下注入直後の晶質液負荷の方が、母体の低血圧予防に効果的であろうと仮定した。

・本前向き対照試験で、60 人の妊産婦は、脊椎麻酔に際してのクモ膜下への薬物注入の前(前投与群)か、または後(同時投与群)に晶質液 15ml/kg を投与されるよう無作為に割り付けられた。低血圧は、収縮期血圧がベースラインの 80% 未満に減少した場合と定義し、低血圧を治療するためにエフェドリンが投与された。低血圧の発生率とエフェドリンの総投与量を調査した。血圧、心拍数、分娩前の悪心を評価した。新生児転帰はアプガースコアと臍帯血液ガス分析で評価した。

・低血圧の発生率は、前投与群に比べて同時投与群の方が少なかった(53% vs 83%、p=0.026)。脊椎麻酔中の血圧低下は、前投与群の方が大きかった(34±13 vs 25±10 mmHg、P=0.002)であり、同時投与群の方が、エフェドリンの必要量が少なかった(7.5[0-30 vs 15[0-40]mg、P= 0.015)。悪心の発生率もまた同時投与群(27% vs 60%、P=0.019)の方が低かった。新生児の転帰指標は、2 群間で同等であった。

・帝王切開時に晶質液を使用する場合には、脊椎麻酔後の母体低血圧を予防するためには、前投与よりも同時投与の方が効果的である。

[!]:脊椎麻酔施行直後から、ネオシネジン 0.5mg か、エフェドリン 20mg 程度を添加した晶質液か、ヘスパンダーを全開で投与するのが簡単でいいのではないかと個人的には思っている。

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