セプティック・ショックの早期体液回復時の中心静脈-動脈二酸化炭素分圧較差: 前向き観察研究

Central venous-to-arterial carbon dioxide partial pressure difference in early resuscitation from septic shock: A prospective observational study
European Journal of Anaesthesiology: July 2014 - Volume 31 - Issue 7 - p 371-380 doi: 10.1097/EJA.0000000000000064

・中心静脈-動脈二酸素化炭素分圧較差(ΔPCO2)は、組織によって産生される総 CO2 を除去する静脈血の有効性マーカーとして使用できる。これまで、ΔPCO2 のこの役割は、中心静脈酸素飽和度が既に正常化(ScvO2≧70%)した、敗血症性ショックから体液回復後の患者でのみ評価されている。 ΔPCO2 の挙動と、その心係数(CI)、正常ScvO2 が達成される前の臨床転帰との関連性については報告されていない。本研究の目的は、セプティック・ショックの極早期段階の体液回復時の、ΔPCO2 の挙動と、その CI、血中乳酸濃度、28 日死亡率への関連性を調査することである。また、初期の体液回復 6 時間中の ΔPCO2とScvO2 の双方が正常化した患者は、正常 ScvO2 だけを達成した患者よりも血中乳酸濃度の減少率が大きいかどうかを調べた。

・一連のセプティック・ショック患者 80 人を対象とした、大学病院集中治療室(ICU)での前向き観察研究である。患者は「Surviving Sepsis Campaign」の推奨に従って治療された。血中乳酸濃度、血行動態および酸素由来の変数を、ICU入室時(T0)、入室 6 時間後(T6)に得られた。乳酸の減少は、T0 から T6 への乳酸濃度減少率として定義した。28 日全死因死亡も記録した。

・データは、中央値(四分位範囲)として表示する。T0 時点で、ΔPCO2 正常群(ΔPCO2≦0.8kPa)と高値群との間で、CI(3.9[3.3-4.7] vs 2.9[2.3-3.1]L/min/m2) と ScvO2(73[65-80] vs 61[53-63]%)に有意差が認められた(p<0.0001)。CI の変化とΔPCO2 との相関関係は、r=-0.62 だった(P<0.0001)。T6 時点で正常ΔPCO2に達した患者の方が、血中乳酸濃度と第 1 日目の SOFA スコアが大きく減少していた。T6 時点で ScvO2とΔPCO2の双方が正常化したサブ群で、乳酸減少は最も大きかった。乳酸の減少は、ΔPCO2 と ScvO2 とは異なり、28 日死亡率の独立した予測因子であった。

・ΔPCO2 モニタリングは、体液回復時に組織灌流の妥当性を評価するための有用なツールである可能性がある。ΔPCO2 と ScvO2 の双方の正常化は、ScvO2 単独よりも血中乳酸濃度の大きな減少と関連している。乳酸の減少は、28 日死亡率の独立予測因子である。この仮説を確認するためにさらなる研究が必要である。

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