脊椎麻酔下帝王切開における膠質液前負荷と晶質液の同時投与の比較; 無作為対照試験

Comparison between colloid preload and crystalloid co-load in cesarean section under spinal anesthesia: a randomized controlled trial
International Journal of Obstetric Anesthesia Published Online: June 30, 2014

・帝王切開分娩に際しての脊椎麻酔時には、低血圧はよく見られる問題である。静脈内輸液負荷が、術前脱水を補正し、低血圧の発生率と重症度を軽減するために使用されている。異なる輸液処方が検討されているが、膠質液の前負荷と晶質液の同時負荷は比較されていない。

・本無作為化二重盲式試験では、脊椎麻酔下に待機的帝王切開を予定された 210 人の患者を無作為に、脊椎麻酔前に 6% ヒドロキシエチルデンプン 130/0.4 500 mL (膠質液前負荷)か、またはクモ膜下注入開始時に急速に酢酸リンゲル液 1000mL (晶質液同時投与)か、のいずれかを投与するように割り当てられた。母体低血圧(収縮期血圧<ベースライン 80%、または<90 mmHg)と高度低血圧(収縮期血圧<80mmHg)は、それぞれ、エフェドリン 5 と 10mg のボーラス投与で治療された。主要評価項目は、低血圧の発生率だった。副次評価項目は、高度低血圧、嘔気、嘔吐の発生率、総エフェドリン投与量、アプガースコアと臍動脈血液ガス分析により評価された新生児転帰が含まれた。

・データ分析は、205 人の患者に対して行った;膠質液前負荷群 103 人と晶質液同時負荷群 102 人。膠質液前負荷群と晶質液同時負荷群間で、それぞれ、低血圧(52.4% vs 42.2% p=0.18)、または高度低血圧(15.5 vs 9.8%、p=0.31)の発生率に有意差は認められなかった。エフェドリン投与量の中央値[範囲]は、膠質液前負荷群で 5[0-45]mg、晶質液同時負荷群で 0[0-35]mg であった(P=0.065)。母体の嘔気嘔吐や新生児転帰には群間に有意差は認められなかった。

・待機的帝王切開分娩に際しての脊椎麻酔後の低血圧の発生頻度を減少させる上で、晶質液同時負荷 1000mL の使用は、膠質液前負荷 500mL と同様の効果を有している。どちらの方法も低血圧を完全には防ぐことができず、昇圧薬と併用するべきである。

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