米国の THA/TKA を受ける患者におけるトラネキサム酸使用と術後転帰; 有効性と安全性の後ろ向

Tranexamic acid use and postoperative outcomes in patients undergoing total hip or knee arthroplasty in the United States: retrospective analysis of effectiveness and safety
BMJ 2014; 349 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g4829 (Published 12 August 2014)

トラネキサム酸4.png・本研究の目的は、米国で人工股関節または膝関節置換術を受けた患者における周術期トラネキサム酸使用の有効性と安全性を確認することであった。後ろ向きコホート研究で、マルチレベル多変量ロジスティック回帰モデルで、周術期トラネキサム酸の使用と転帰との関連性を測定した。

・2006-12 年の請求に基づくプレミアパースペクティブデータベースから得た米国の病院 510 施設で、人工股関節または膝関節置換術を受けた 872416 人の患者を対象とした。周術期のトラネキサム酸の静脈内投与量による区分(なし、≦1000mg、2000mg、≧3000mg)に従って、主要評価項目として、同種または自家輸血、血栓塞栓性合併症(肺塞栓症、深部静脈血栓症)、急性腎不全、合併症複合(血栓塞栓合併症、急性腎不全、脳血管事象、心筋梗塞、院内死亡率)を調査した。

・トラネキサム酸を投与されなかった患者群に比べて、トラネキサム酸投与を受けた患者群は、平均年齢と併存疾患指数は同等であったのに対して、同種または自家輸血(7.7% vs 20.1%)、血栓塞栓合併症(0.6% vs 0.8%)、急性腎障害(1.2% vs 1.6%)、合併症複合(1.9% vs 2.6%)の割合が少なかった(全て P<0.01)。マルチレベル・モデルでは、トラネキサム酸投与区分群は(トラネキサム酸の無使用に対して)、同種または自己血輸血の有意に低いオッズと関連しており(用量区分によりオッズ比は 0.31-0.38、P<0.001)、合併症のリスクを有意に増加させなかった:血栓塞栓性合併症(オッズ比 0.85-1.02)、急性腎不全(0.70-1.11)、合併症複合(0.75-0.98)。

・トラネキサム酸は、血栓塞栓症や腎不全などの合併症リスクを増加させることなく、輸血の必要性を減少させるのに有効であった。このように著者らのデータは、整形外科手術を必要とする患者におけるトラネキサム酸の潜在的な有効性と安全性に関するさらなるエビデンスを提供する。

[!]:これだけの結果が出ても TKA/THA でトラネキサム酸を投与しないとしたら、怠慢以外の何物でもないな。

<関連記事>
1.TKA後の出血コントロールにおけるトラネキサム酸の効果と安全性:無作為臨床試験

2.全股関節置換術に際し低血圧硬膜外と全身麻酔併用下の術後出血量減少に及ぼすトラネキサム酸の効果

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