ブピバカイン vs ブピバカイン+フェンタニルによるクモ膜下ブロックがエントロピーと鎮静に及ぼす効

Comparison of subarachnoid block with bupivacaine and bupivacaine with fentanyl on entropy and sedation: A prospective randomized double-blind study
J Anaesthesiol Clin Pharmacol 2014;30:543-9

・著者らは、ブピバカイン単独か、あるいはブピバカインとフェンタニルを併用したくも膜下ブロック(SAB)の鎮静効果をモニターするためにステートエントロピーを検討した。くも膜下経由で使用したフェンタニルが鎮静度に及ぼす効果も、エントロピースコアと、補助鎮静薬として使用したプロポフォール必要量の減少度から検討した。

・本前向き無作為化二重盲式試験では、SAB を必要とする年齢 18?70 歳の 30 人の患者を研究に登録した。研究薬への既知のアレルギー、SAB の禁忌、肥満、神経学的また精神疾患で服薬中の患者や拒否患者は、研究から除外した。患者は無作為に 2 群に割り当てられた:C 群:SAB は0.5% 高比重ブピバカイン 2.5mL(12.5 mg)を投与した。D 群:SAB は 0.5% 高比重ブピバカイン 2mL(10mg)とフェンタニル 0.5mL(25μg)の計 2.5 mL を投与した。SE 値が≧75 の場合には、SE 値が 60~75 の範囲に達するまで(開始時間として記録)、プロポフォールを 100μ/kg/分の速度で注入を開始した。その後注入速度は、SE 値を 60~75 に維持するように調節した。鎮静度は SE とラムゼイ鎮静(RS)で測定された。

・人口統計学的属性とベースラインのパラメータは、2 群間で同程度であった(P>0.05)。SAB 後、SE とレスポンスエントロピーの低下が両群で認められ、その低下は D 群で有意であった(P<0.0001)。2 群で必要なプロポフォールの総量は同程度で、C 群で 3.41±2.34mg/kg、D 群で 3.97±2.14 mg/kg であった(P=0.342)。平均 RS 値の変化は、SAB から 20 分以内に D 群で 1.17±0.38 から 1.69±0.47 であった(P=0.06)のに対して、C 群では 1.03±0.18 から 1.43±0.50(P=0.041)であった。

・くも膜下ブロックは、それ自体が鎮静を引き起こすが、その鎮静度は、臨床的には有意でなく、生じた鎮静は、術中に患者の不安を緩和する際に、鎮静薬を回避するのに十分ではない。 SAB の鎮静効果は、フェンタニルを追加することによって、おそらくは SAB の質が向上したために増強された。SE は、RS 点数化システムと良好な相関関係を示した。したがって、SE は SAB 下の手術を受ける患者で鎮静を調節するのに信頼性のあるツールとして使用することができる。

[!]:脊椎麻酔自体が、ざっくり言えば、下半身の体性神経経由の上向性インパルスを全てシャットアウトしてしまうために、意識を覚醒させておくのに必要な、いわゆる上行性網様体賦活系からの皮質野への投射インパルスが減弱するために鎮静状態が引き起こされると考えられている。

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