脳外科の開頭手術で BIS センサーを下顎に付けて使用してみた!

 長らく脳外科手術の麻酔を担当する機会がなかったのだが、今日は久々に若い研修医と脳外科腫瘍摘出術の麻酔を担当することになった。

 当院の手術室で使用している日本光電のベッドサイドモニターは、BIS モニターがオプションで使用できる仕様ではあるが、「電子麻酔記録」を稼働させているノート PC との接続端子が、「BIS モニター」との接続端子とかぶっているために、「電子麻酔記録」と「BIS モニター」の併用ができず、通常は、BIS モニターなしで吸入麻酔を主体とした全身麻酔を行っている。

 脳外科手術も例外ではなく、さすがに吸入麻酔はしないが、これまで通常は、BIS モニターなしでの完全静脈麻酔を行っていた。また、脳外科手術の場合、BIS センサーの装着部位が術野に近く、外科医にはあまり好まれないし、もしも術中にセンサーが剥がれ気味なったとしても、センサーの貼り直しがしづらいということも、BIS をモニターしない一つの理由ではあった。

 しかし、「外付け」というか、「単体」の BIS モニターも 2 台あり、必要時には、BIS モニターも使用できるようにしている。そこで、今日は、以前に当ブログでも紹介した記事にある、BIS センサーを下顎部に装着する方法を試してみた。

標準的な前頭部センサー位置からの BIS スコアと別の下顎部位からのものとの比較

BIS センサーの装着部位は、以下の図にしたがって、こめかみから下顎にかけて貼り付けた。
画像


 麻酔導入前から装着したのではなく、麻酔導入して挿管後、頭部のメイフィールド固定が行われてから装着したので、執刀~麻酔維持期~麻酔からの覚醒にかけての BIS の動きをモニターすることができた。

 上記論文によると、前頭部センサーと下顎部センサーの BIS 値の相関係数は、0.869 であったとされ、今回の麻酔時の BIS 値も、前頭部に装着しているのとまったく違和感のない結果であった。

 手術終了時に、術中は効果部位濃度 2μg/ml で維持していた プロポフォール TCI をオフにすると、それまで 40 台を表示していた BIS は、徐々に上昇して、覚醒時には 98 を表示した。

 脳外科手術時に BIS センサーを下顎部に装着する方法は「使える!」という印象だった。皆さんも、ぜひ試してみてください。

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  • Q:BIS センサーの代替貼付部位

    Excerpt: 揮発性吸入麻酔薬は個人差が少ないため、いつもいつも BIS モニターを装着しようとは思いませんが、全静脈麻酔をする際には、投与薬物量に個人差があるため、やはり使用したくなります。 Weblog: 麻酔科勤務医のお勉強日記 racked: 2019-03-03 10:07