ロクロニウムによる筋弛緩後のネオスチグミンかスガマデクスで強化された回復時の横隔膜の電気筋電図活動

Electromyographic activity of the diaphragm during neostigmine or sugammadex-enhanced recovery after neuromuscular blockade with rocuronium: A randomised controlled study in healthy volunteers
European Journal of Anaesthesiology: January 2015 - Volume 32 - Issue 1 - p 49-57

・筋弛緩薬の使用は、重症の術後呼吸器合併症と関連付けられてきた。合併症は、不十分な拮抗に起因する可能性があり、拮抗剤もそれ自体が有害な影響を有している可能性がある。

・本研究の目的は、ネオスチグミンとスガマデクスを使用して筋弛緩から回復させる際、横隔膜の筋電活動(EMGdi)を比較することであった。仮説はスガマデクスを使用した場合の方が、横隔膜の神経筋カップリングが良好だろうということであった。12 人の健康な男性ボランティアを対象とした、ベルギーの地方総合病院単施設での無作為並行群二重盲式試験である。被験者ははプロポフォールとレミフェンタニルで麻酔された。ロクロニウム 0.6mg/kg 投与後、経食道筋電(EMG)記録計を挿入した。筋弛緩の拮抗に、ボランティアらは、スガマデクス 2mg/kg (n=6)か、またはネオスチグミン 70μg/kg を投与された(n=6)。人工呼吸器からの離脱時に、抜管まで、EMGdi、気道内圧と流量を継続的に測定した。動脈血ガス検体を初回自発呼吸試行時点と抜管後に、PaO2 と PaCO2 分析のために採取した。

・ウィーニング時に、560 回の呼吸を分析のために記録した。最大 EMGdi の中央値(95%CI)は、ネオスチグミン群では 1.1(0.9-1.5)μV であったのに対し、スガマデクス群では 1.6(1.3-1.9)μV であった(P<0.001)。ネオスチグミン群の被験者は、EMGdi ≧1μV を伴う呼吸が 125/228(55%)であったのに対して、スガマデクス群では 220/332(66%)であった(P=0.008)。1 回換気量の中央値(95%CI)は、ネオスチグミン後では 287(256-335)mL であったのに対し、スガマデクス後では 359(313-398)mL であった(P=0.013)。抜管直後の PaO2 の中央値(95%CI)は、スガマデクス後で 30.(22.8-37.1)kPa であったのに対し、ネオスチグミン後では 20.7(12.9-27.5)kPa だった(P=0.03)。

・抜管後の EMGdi、1 回換気量、PaO2 は、ネオスチグミンと比べて、スガマデクス後の方が増加しており、スガマデクス投与後の横隔膜駆動による吸気を反映している。スガマデクスは、間接的な効果しか持たないネオスチグミンよりも、横隔膜のアセチルコリン受容体を多く非結合状態にする可能性ががある。

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