麻酔の種類と患者回復の質: プロポフォール+レミフェンタニル TIVA vs デスフルラン麻酔

Type of anaesthesia and patient quality of recovery: a randomized trial comparing propofol-remifentanil total i.v. anaesthesia with desflurane anaesthesia
Br. J. Anaesth. (2014) doi: 10.1093/bja/aeu405 First published online: December 10, 2014

・2 種のよく行われる全身麻酔の方法は、完全静脈麻酔(TIVA)と吸入麻酔であるが、これは、患者の自覚的な回復の質に影響するかどうかは不明である。回復の質-40 アンケート(QoR-40)は、全身麻酔による手術後の機能的回復の程度を評価するための有効で信頼できる方法である。そこで、本研究では、TIVA を受けた手術患者とデスフルラン麻酔を受けた患者で、QoR-40 を使用して、患者の回復を比較した。

・甲状腺手術を受ける 80 人の女性(年齢 20~65 才)は、前向きに募集され、TIVA(プロポフォールとレミフェンタニルの効果部位 TCI)か、DES(レミフェンタニルの手動注入を伴うデスフルラン吸入)群に割り当てられた。群割り当てを知らされない調査者によって、術前と術後 1 日目と 2 日目(POD1 と POD2)に QoR-40 アンケートを取った。麻酔回復室での嘔気や嘔吐の発生、制吐薬や鎮痛薬の消費量、在院期間といった追加データを全症例で収集した。

・POD1の QoR-40 スコアは、DES 群と比較し TIVA 群で有意に高く(それぞれ、174 vs 161; P=0.004)、TIVA 群では回復の質が良好であることを示している。QoR-40 の 5 分野の中では、身体的な快適さと身体的な独立性が TIVA 群の方が POD1 と POD2 で有意に良好であった。

・本研究は、女性の甲状腺手術患者では、回復の質はデスフルラン麻酔に比べて TIVA 麻酔の方が有意に良好であることを示している。

[!]:QoR-40 の 5 分野とは、"patient support, comfort, emotions, physical independence pain"、「患者さんへの支援、快適さ、感情、身体的能力、痛み」のこと。麻酔の安全性は、かなり高度になっているので、今後は、患者さんにとってどれくらい快適な周術期であるかが問われる時代となってきた。
QoR-40 の日本語版もあるが、公開はされていないのか!? これを使えば、いろいろな麻酔法の優劣についていっぱいスタディできそうだ。

なお、「QoR-40 日本語版」については、
手術患者に対する ESSENSE プロトコールによる周術期管理(多施設共同前向き臨床試験)の一部として、QoR-40J が参照できます。

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この記事へのコメント

愛読者
2014年12月19日 10:30
ttp://www.jsmmn.jp/essense/doc/essense_study.pdf

このページで日本語版公開されています。

ちなみに出典はこちらです↓
J Anesth. 2011 Aug;25(4):509-15. doi: 10.1007/s00540-011-1151-2. Epub 2011 May 31.
Validation of the Japanese version of the quality of recovery score QoR-40.
SRHAD-KNIGHT
2014年12月19日 12:59
愛読者さん、コメントありがとうございます。
リンクを張らせていただきます。

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